そんな疑問にお答えする記事です。
トウガラシは夏を代表する野菜の一つです。
最近では、スタンダードな「鷹の爪」や「甘長トウガラシ」だけでなく、「ハバネロ」、「ブートジョロキア」など、いわゆる「激辛トウガラシ」の苗も販売されているため、とても面白い植物です
特に辛いものが好きな方は、自分で激辛トウガラシを育てることで、たくさんの実を収穫して料理などに使うこともできます。
トウガラシをたくさん収穫するには、「トウガラシが好む環境」を整えて栽培してあげる必要があります。
この記事でご紹介するトウガラシ栽培のポイントを実践すれば、誰でも簡単にたくさんのトウガラシを収穫することができます
本日はトウガラシの管理方法や仕立て方について幅広く解説していきます。
- トウガラシは種類が豊富、辛さも色々
- 暑いところが大好きな植物
- 初心者は苗からの栽培がおすすめ
- 植え付けは鉢(プランター)、地植え どちらでもOK
- 栽培のポイントは「水と肥料をたっぷりと」
- 仕立て方は3本仕立てがスタンダード(解説あり)
- 暖かい場所なら冬越し(越冬)させられる
- 病害虫にも注意が必要(解説あり)
- 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
- 100種類以上のハーブの栽培を経験
- ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上
元気なトウガラシを育てるポイントを順番に解説していきます。
鷹の爪、タバスコ、ハバネロなど様々な種類がある
現在、トウガラシは様々な種類の種や苗が販売されています。
ここでは、代表的な3タイプのトウガラシをご紹介します。
・トウガラシ(Capsicum annuum)
古くから日本で栽培されているトウガラシです。
鷹の爪や甘長(辛みがない)などはこのタイプです。
・キダチトウガラシ(Capsicum frutescens)
こちらもトウガラシの一種でやや小さい実を着けます。
タバスコペッパーというトウガラシの品種はこのタイプに属します。
(調味料のタバスコはこの品種を使って作られたものです)
シネンセ種(Capsicum chinense)
辛味成分のカプサイシンがとても多い傾向がある種類。
ハバネロ、ブートジョロキア、キャロライナリーパーなど、最近話題の激辛品種はこのタイプに属します。
トウガラシの栽培期間は5~8月 暑い季節が好きな植物
トウガラシといえば暑い夏をさらに暑く刺激する夏野菜!
夏野菜の代表選手の一つです。
- トウガラシは暑い環境が得意で、逆に寒い環境は苦手です
- 栽培期間は気温が高くなり始める「5月中旬」から、気温が下がり始める「8月」までがメインです
栽培期間が短い分、生育スピードがとても速い植物です。
激辛トウガラシは苗からの栽培がおすすめ
トウガラシは種から育てることもできます。
- 5月頃に苗を植え付けたいので、種まきの適期は3~4月です
- しかし、トウガラシの発芽適温は30℃近くで、その時期の外の気温では発芽しません
何らかの方法で種まきをした苗床を加温する必要があります。
これは少しテクニックが必要なので、初心者の方は苗からの栽培をおすすめします。
育てたい品種が種しか販売されていない場合は、保湿と保温ができるセルトレイなどに種まきをしましょう。
種まきをして、フタを閉めておけば、日中は高い湿度と温度をキープすることができ、発芽率が上がります。
トウガラシの植え付け(鉢のサイズや株間について)
トウガラシは鉢(プランター)、地植えどちらでも栽培できます。
トウガラシは寒さが苦手なので、朝晩の冷え込みがなくなる5月中旬頃に苗を植え付けます。
- 株は植え付け場所にもよりますが、60~100cmほどになります。
- 鉢であれば6~7号(直径18~21cm)
- 地植えであれば40~50cm間隔で植え付けます。
用土は市販の園芸用培土(野菜の土)で問題ありません。
水を好む植物なので、柔らかくて水持ちの良い土を選びます。
赤玉土と腐葉土をブレンドして用土を作ることもできます
簡単に良い土ができるので、ご興味のある方はぜひご覧ください
私も植物の植え付けには自分でブレンドした土を使っています。
トウガラシの水やり
トウガラシは水が好きな植物です。
5月下旬くらいから気温が上がってくると、凄まじいスピードでトウガラシが生長してきます
ここからは水の消費量がグーンと増えるので、水切れを起こさないように、水やりの量も頻度も上げていきます。
特に夏場はすぐに乾燥して水切れを起こしやすくなります。
夏場の暑い日は1日2回を目安にたっぷりと水やりをしていきましょう
トウガラシの肥料やり
トウガラシは生長のスピードが速いため、肥料の効果を切らさないようにすることも大切です。
プロミックは緩効性肥料の代表選手です。
- 栽培期間中は緩効性肥料を置いておくと、じわじわと肥料の効果が出続けるので、おすすめです
- トウガラシの花が咲き、実が着いてきたら、液肥を2週間に1回くらいの頻度で使ってあげると、よりスムーズに生長していきます
トウガラシの一番果は摘果する
植物体がまだ小さいうちに花や果実を着けてしまうと、余分なエネルギーを消耗してしまい、大きく生長する前にバテてしまいます。
もったいない気がしますが、その後の生長のために、一番花(果)が着いたら、早めに摘果してあげましょう。
若採りしたトウガラシは食べられます
まだ辛味成分が出ていない場合が多いですが、辛さを確認してから使いましょう
トウガラシの「わき芽かき」
トウガラシは葉の付け根から「わき芽」と呼ばれる茎が出てきます。
わき芽を放っておくと、どんどん大きくなって葉が茂り、風通しや日当たりが悪くなってしまいます
余分なエネルギーも消耗してしまうので、一番花より下のわき芽は除去するようにしましょう。
(仕立て方によって、わき芽を残す場合があります。詳しくは次項で解説)
トウガラシは2本・3本仕立てがスタンダード
前項で「わき芽を取る」と書きましたが、収穫量を増やすために、一番花のすぐ下のわき芽は強く生長する特徴がありますので、残して育ててあげましょう。
これでも問題はありませんが、もう少し収穫量を増やすために、一番花のすぐ下のわき芽を残して育ててあげましょう。
イメージはこうです。
わき芽①だけ残せば「主茎+わき芽1本=2本仕立て」
さらにもう1つ下のわき芽②まで残せば「主茎+わき芽2本=3本仕立て」
となります。
一番花のすぐ下のわき芽①は勢いが強いので、これを残し育ててあげましょう。
残したわき芽①は第一側枝(そくし)、わき芽②は第二側枝と呼ばれます。
倒れないように支柱を立てる
株が倒れないように、全ての茎に支柱を立ててあげます。
(2本仕立てなら2本、3本仕立てなら3本)
- 支柱の結び方は必ずひもを「8の字」にして結んであげます
- 8の字結びにすることで、支柱と茎がこすれて傷ついたり、茎が必要以上に締め付けられるのを防ぐことができます
トウガラシの収穫
暑くなってくると、徐々にトウガラシの実が大きくなってきて、赤く色付いてきます。
色付いたものから順番に収穫していきましょう。
育てているトウガラシによって実の着き方が違いますので解説します。
トウガラシ(鷹の爪など)の収穫
たくさんの実が房状に着きます。
始めは色づいたものから採っていき、ほとんどのトウガラシの実が赤くなったところで株ごと引き抜いて収穫します。
後述の「冬越し」を考えている場合は掘り上げず、実だけを丁寧に収穫します。
激辛トウガラシ(ハバネロ、ジョロキア、キャロライナリーパーなど)の収穫
鷹の爪とは植物の種類が異なるため、実の着き方が違います。
房状には実がならないため、最後まで1つずつ丁寧に収穫します。
トウガラシの冬越し(越冬)
トウガラシは寒い環境が苦手な植物です。
そのため、日本では一年草扱いされていますが、暖かい場所で管理すれば冬越しさせることが可能です。
温度は20℃以上が目安です。
翌年の新芽は今年伸びた枝の途中から、出てきます
今年伸びた枝を半分~3分の1程度切り落とし、室内の温かいところで管理しましょう
翌年の春以降に再び元気な新芽が吹いてきます。
ただ、少しずつ老化して実が着きにくくなっていくので、2~3年に1回は新たに苗を購入することをおすすめします。
トウガラシの病害虫対策
- トウガラシはモザイク病、立枯れ病などの病気が発生します
- また、アブラムシが付きやすい植物なので、注意が必要です
そう思われている方がほとんどではないでしょうか?
我が家でも野菜をいくつも育てていますが、農薬は使わないようにしています。
農薬ほど鋭い効果を発揮するわけではありませんが、我が家では「ニームオイル」と市販の「オーガニック栽培用の殺虫・殺菌剤」を使用しています。
ニームという植物の種から採取した油で、虫を寄せ付けにくくする効果(忌避効果)があります
食品由来の成分で出来ている殺虫・殺菌効果の期待されるスプレー
おうちのガーデニングではあまり農薬を使いたくないものですよね
こういったアイテムを揃えておくことで、色々な植物を健全に育てることができるので、非常におすすめです!
まとめ
いかがでしたか?
本日はトウガラシの栽培ポイントについて解説しました。
- トウガラシは種類が豊富、辛さも色々
- 暑いところが大好きな植物
- 初心者は苗からの栽培がおすすめ
- 植え付けは鉢(プランター)、地植え どちらでもOK
- 栽培のポイントは「水と肥料をたっぷりと」
- 仕立て方は3本仕立てがスタンダード
- 暖かい場所なら冬越し(越冬)させられる
- 病害虫にも注意が必要
激辛ブームの到来も後押しして、販売されているトウガラシの品種も充実していて、栽培が面白い植物だなと感じています。
ぜひ、自分好みのトウガラシを見つけて、栽培をしてみましょう。