ガーデニング初心者さんへ

【いまさら聞けない?】一年草、二年草ってなに?それぞれの特徴を解説

  • 植物のことを調べていると一年草とか多年草とか書いてあるけど、どういう意味?
  • 二年草って書いてあるのに、なぜ2年で花が咲かないことがあるの?

そんな疑問を解決する記事です。

TVや本、インターネットで植物のことを調べると、必ずと言っていい程「一年草」や「多年草」という情報が書いてあり、よく見聞きされていると思います。

植物は種類によってライフサイクルが決まっています。

一年草」や「多年草」といったライフサイクルの特徴を表す情報は、植物を育てるうえで、最も重要な情報です。

一年草」「二年草」「多年草」「宿根草」「球根植物

この違いが分かるだけで、どんな植物でもある程度の管理方法がイメージできるようになります

どんな植物を栽培するにしても、知っておいて損はない情報ですので、ぜひ整理しておきましょう。

記事の信頼性(筆者について)
  • 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
  • 100種類以上のハーブの栽培を経験
  • ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上

とはいえ、一度にたくさんの用語を解説されたら、眠たくなってしまう思いますので、

この記事では「一年草」と「二年草」の2つに焦点を絞って解説いたします。

本日の要点
  • 一年草は発芽⇒開花⇒結実⇒枯死のサイクルが一年以内に完結する植物で、2タイプに分けられる
  1. 春播き一年草⇒春~秋まで生育、夏に最盛期がくるため、耐暑性が高く耐寒性は低い
  2. 秋播き一年草⇒秋~初夏まで生育、冬を越して生長するため、耐寒性が高く耐暑性は低い

  • 二年草は発芽⇒開花⇒結実⇒枯死のサイクルが2年以上かかる植物
    • 1年目は植物体が子どものフェーズ(幼若相)
    • 2年目大人になって花を咲かせるフェーズ(成熟相)
    • 2年目で大人になれなかった場合はもう1年「幼若相」をやりなおし
      • ⇒ライフサイクルが3年となる場合もあるということ

それでは、順番に解説していきます。

一年草

一年草は、その名の通り発芽~枯死までのライフサイクルが一年で完結する植物のことを指します。

そのライフサイクルの短さから、ガーデニングの世界では初心者でも扱いやすい植物が多いのも特徴の一つです

一年草は種まきのタイミングで大きく「春播き一年草」と「秋播き一年草」の2つのタイプに分けることができます。

※本来、自生地(海外)では年をまたいで生存する多年草でも、日本の気候では生存することが難しく、一年草扱いされる植物はたくさんあります。

本日は日本でのガーデニング事情に合わせて解説していきますのでご了承ください。

春播き一年草

春に種をまいて、発芽⇒開花⇒結実⇒枯死が冬までに完結する植物を指します。

  • 夏が最盛期冬は寒くて苦手
  • 基本的に耐寒性のない植物で、アサガオ、ヒマワリをはじめ、多くの夏どり野菜がここに分類されます

夏に最盛期を迎えて、秋から冬にかけて徐々に衰退して枯死していくイメージです。

秋播き一年草

秋に種をまいて、発芽した状態で冬を越し、春~初夏に花を咲かせ枯死する植物です。

  • 苗の状態で冬を過ごすため、冬は得意!暑い夏は苦手
  • 耐寒性のある植物春に花が咲く一年草がここに分類されます
  • アリッサム、パンジー、ビオラなどの春を代表する植物や多くのハーブ類が秋まき一年草に該当します

冬の寒さに強く、夏の暑さに弱い植物が該当しますが、気候のフィットする環境(夏が冷涼な環境)で育てると、枯死せずに翌年も栽培できる植物(本当は多年草)が多いのも特徴です

日本の夏は蒸し暑すぎるということですね。

二年草

種をまいて発芽はするものの、一年目は開花せずに冬を越し二年目以降に花を咲かせるタイプの植物です。

実は植物には「幼若相(ようじゃくそう)」と「成熟相(せいじゅくそう)」という2つの生長段階があります

簡単にいえば、「子どもの時期」と「大人の時期」です。

そして、植物には開花に必要な条件というものが設定されています

その条件は植物によって実に様々ですが、例えば…

開花植物の開花条件の例
  • 平均気温が〇〇℃以上の日が〇〇日続いたら
  • 昼間の長さが〇〇時間以上になったら
  • 昼間の長さが〇〇時間以下になったら

(※学術的には少しイメージが異なりますが、ここでは「簡単に」ということで、ご了承ください)

植物ごとに設定された「開花条件」を満たすことで、植物は開花します。

しかしながら、植物は「大人の時期」になってはじめて「開花条件」に反応するようになります

「子どもの時期」にいくら「開花条件」の環境に置いても、開花することはありません。

つまり

  • 一年草:一年で子どもから大人になる植物
  • 二年草:一年目=子供、二年目=大人 という植物

基本的にはこの理解で大丈夫です。

しかし、二年草はたまにおかしな子が出てきます。

人間と同じで個人差があり、2年間では大人になれない子がいるのです

例えば、ジギタリスという植物は二年草ですが、100個体くらい苗を栽培していると、2年目で花が咲くのは90個体くらいです。

残りの10個体は大人になりきれなかったため、開花条件にさらされても感応できなかったのです

そういった子たちは、3年目で大人になっていれば、開花することができます。

二年草というのは目安であって、正確には「だいたい二年草」くらいに考えておくと良いでしょう

ピッタリ2年で花が咲かなくても、焦ったり怒ったりしないでください。

植物にも個人差があるのです。

まとめ

いかがでしたか?

本日は植物のライフサイクルご紹介(前編)ということで、「一年草」「二年草」をご紹介しました。

本日のまとめ
  • 一年草は発芽⇒開花⇒結実⇒枯死のサイクルが一年以内に完結する植物で、2タイプに分けられる
  1. 春播き一年草⇒春~秋まで生育、夏に最盛期がくるため、耐暑性が高く耐寒性は低い
  2. 秋播き一年草⇒秋~初夏まで生育、冬を越して生長するため、耐寒性が高く耐暑性は低い

  • 二年草は発芽⇒開花⇒結実⇒枯死のサイクルが2年以上かかる植物
    • 1年目は植物体が子どものフェーズ(幼若相)
    • 2年目大人になって花を咲かせるフェーズ(成熟相)
    • 2年目で大人になれなかった場合はもう1年「幼若相」をやりなおし
      • ⇒ライフサイクルが3年となる場合もあるということ

次に一年草や二年草を見かけたときは

  • 「春播き一年草…あー、春から秋にかけて栽培する植物ね。じゃあ耐寒性は低いはず」
  • 「二年草だけど2年目に花が咲かなかった…まだまだお子ちゃまなのね」

と、判断が出来るようになっているはずです。

色々な用語の意味を知っていくと、これまで分からなかった植物の不思議な生態説明できるようになっていきます。

皆さんのガーデニングのレベルアップにつながれば嬉しいです。

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それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。