- 肥料ってたくさん種類があって、違いがよく分からない
- 肥料をあげたいけど、どんな肥料をあげて良いか分からない
そんな疑問を解決する記事です。
植物はたくさんの花を咲かせたり、実を着けたり、大きく生長するときに多くのエネルギーを消費しています。
いつも元気な状態を維持するために肥料はガーデニングの必須アイテムです
では、どんな肥料を与えれば良いのでしょうか?
そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないかと思います。
本日は肥料の種類や名前、その特徴をきちっと分類して分かりやすく解説いたします。
- 肥料を与えるタイミング:「元肥」と「追肥」の2タイプに分類
- 肥料の種類:「化成肥料」と「有機質肥料」の2タイプに分類
- 肥料の形:「固形肥料」と「液肥」の2タイプに分類
- 肥料の効果のスピード:「即効性」「遅効性」「緩効性」の3タイプに分類
- 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
- 100種類以上のハーブの栽培を経験
- ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上
仕事と趣味の両面から植物を触っている経験を活かして、植物の正しい知識を発信しています。
植物を栽培するうえで肥料は不可欠です。
色々な肥料の種類を知って、元気な植物を育てましょう。
順番に解説していきます。
肥料を入れるタイミング:「元肥」と「追肥」
肥料は「効果が持続する期間」が決まっています。
「一度あげたらおしまい」というわけにはいきません
安定して肥料の効果を発揮させるためには、初めに「元肥(もとごえ)」という肥料を入れた後、定期的に「追肥(ついひ)」をする必要があります。
まずは2つの肥料の与え方をマスターしましょう。
元肥(もとごえ)
肥料を与えるタイミング
一つ目は「元肥(もとごえ)」です。
肥料の効果を安定して持続させるために、まずは植え付けのときに「元肥」と呼ばれる肥料を与えます。
「元肥」は鉢栽培、地植えともに土に混ぜ込むのが一般的です。
「元肥」は持続力のある緩効性、遅効性の肥料を使います。
緩効性、遅効性の意味については後ほど詳しく解説しますが
- 一度与えたらゆっくりと効果が出る化成肥料
- 微生物にゆっくりと分解してもらうことで肥料の効果が発揮される有機肥料
などが元肥に適しています。
追肥(ついひ)
肥料を与えるタイミング
二つ目は「追肥(ついひ)」です。
植物は急激に生長したり、花を咲かせたり、実を着けたとき、非常に多くのエネルギーを使います。
こんなときは追肥の出番です!
「追肥」では、即効性の高い液肥などを与えることで、植物が活力を取り戻し、スタミナを落とすことなく元気に生長を続けてくれるようになります。
また、栽培が長期化して、元肥の効果が切れそうな場合も「追肥」という形で固形肥料などを与えることで、肥料の効果が途切れることなく植物の健全な生育が持続します。
この場合は、緩やかに長期間効果が続く「緩効性」の肥料などを与えましょう
緩効性肥料も後述します。
肥料の種類:「化成肥料」と「有機質肥料」
肥料は大きく「化成(かせい)肥料」と「有機質(ゆうきしつ)肥料」の2タイプに分けられます。
肥料の種類① 化成肥料
化成肥料は植物に必要な栄養素が人工的に配合された肥料です。
植物の生育にとって必要なものだけが無駄なく入っているため、シンプルで使いやすい肥料です
あらかじめ成分が植物に吸収可能な形になっていることが多いため、植物にスムーズに吸収されやすい特徴があります。
持続期間がはっきりと表記されているため、追肥のタイミングなども分かりやすいのが特徴です
また、においもほとんどありません。
肥料の種類② 有機質肥料
有機質肥料はおおよそ化成肥料の反対の特性を持つ肥料です。
植物の残渣や動物のふんなどの有機物を発酵・乾燥させたもの
「油かす」や「たい肥」と呼ばれるものがこれにあたります
有機物なので、広い意味での「栄養」となります。
環境にやさしい天然由来の栄養素です。
注意点としては
有機質肥料は、化成肥料のように「あげたらすぐ効果が出る」わけではありません。
有機質が土中の微生物などに分解されて、植物が利用できる形になった段階で初めて効果が現れます
土中に良い微生物が集まるようになるため、土壌改良の効果も期待できます。
また、植物の残渣や動物のふんには非常に多くの成分が入っているため、有機質肥料は化成肥料のように成分を特定することはできません
どんな植物の残渣なのか?どんなエサを食べている動物のふんなのか?
そのあたりが商品によって異なるので、肥料の効果や持続期間にバラツキがあります。
有機物なので、商品によっては強いにおいを発するものもあります。
肥料の形状:「固形肥料」と「液肥」に分類される
肥料の形態は大きく分けて固形肥料と液体肥料(液肥)の2タイプがあります。
固形肥料
固形肥料は乾燥しており、多くの場合成型されているタイプの肥料です。
固形肥料の中には、前項でご説明した「化成肥料」と「有機質肥料」の2タイプがあります。
- 固形の化成肥料は、水やりなどによって徐々に溶けていき、効果が中~長期間持続します
- 固形の有機質肥料は、土中の微生物により分解されることで効果が現れます(詳しくは前項に記載)
液体肥料(液肥)
肥料成分が液体になっているタイプの肥料です。
そのまま使えるタイプや、濃縮されているものを水で希釈して使うタイプがあります
ハイポネックスは代表的な液肥です。
例えば、ハイポネックス(原液)であれば1000倍程度に水で薄めて使います
肥料成分が植物に吸収されやすい形に溶かされているため、吸収効率がとても高く、水やり後すぐに効果が現れるのが特徴です(即効性)
ただし、効果は長続きしないため肥料切れには注意が必要です。
他の肥料とバランスよく組み合わせて使いましょう(詳しくは次項に記載)。
肥料の効き方:「即効性」「遅効性」「緩効性」に分類される
肥料は種類によって効果が出るまでの期間や効果の出方に違いがあり、大きく「即効性」「遅効性」「緩効性」の3タイプに分けられます。
即効性肥料
即効性の肥料は与えた段階で即効果が期待できる肥料のことで、液肥などがこれに該当します。
水に溶けやすく、成分が植物に吸収されやすい形態になっているため、普段の水やりとして使うだけで、根からスムーズに栄養を吸収してくれます。
そのため、液肥単体では肥料切れを起こしやすい傾向があります。
緩効性や遅効性タイプの肥料をベースに使い、即効性の肥料は「ここぞ」というときに使ったり、水やりのサイクルの中に定期的に組み込んで使っていきましょう。
遅効性肥料
遅効性の肥料は、与えた段階ではすぐに効果が現れず、土中の微生物などに分解されることではじめて植物が吸収できる形の栄養になる肥料です。
「たい肥」や「油かす」などの有機質肥料がこれに該当します
植え付け前の「元肥」として土壌に混和しておけば、植物が育つ過程で肥料の効果が長期間にわたって持続しするのでおすすめです
緩効性肥料
緩効性肥料はコーティングされた化成肥料が徐々に溶けだし、緩やかに効果が持続するタイプの肥料です。
多くの固形の化成肥料はこのタイプに該当します。
プロミックは緩効性肥料の代表選手です
効果の持続期間も分かりやすく、「細く長く」効果が続くため、肥料切れの心配が少なく、とても扱いやすい肥料です
特にこだわりがなければ、普段使いの肥料は緩効性肥料をベースにすると良いと思います。
まとめ
いかがでしたか?
本日は肥料の種類とそれぞれの肥料の特徴を中心に解説をいたしました。
- 肥料を与えるタイミング:「元肥」と「追肥」の2タイプに分類
- 肥料の種類:「化成肥料」と「有機質肥料」の2タイプに分類
- 肥料の形:「固形肥料」と「液肥」の2タイプに分類
- 肥料の効果のスピード:「即効性」「遅効性」「緩効性」の3タイプに分類
園芸に関する番組や書籍で肥料に関する用語をよく見かけると思います。
この記事で代表的な肥料のタイプはだいたい網羅されていると思いますので、分からない用語が出てきたときはぜひこの記事を見直してみてください
肥料のあり・なしで植物の生育はまるで違います。
「今まで肥料をあげていなかった」という方は、本日ご紹介した肥料のタイプを上手く組み合わせて、肥料の効果が途切れないように植物を育ててみましょう
まずは手軽な緩効性肥料を置くだけでも大丈夫です。
きっとこれまでよりステキな植物の姿を見ることができると思います。
この記事が皆さんのガーデニングのお役に立てば幸いです。
▼ガーデニングに役立つ様々な知識を記事にしています
ご興味のある方は、「ガーデニングの教科書」の記事たちをチェックしてみてください!
それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。
化成肥料、有機肥料、固形肥料、液肥…
肥料ってたくさん種類があってよく分からない!