ローズマリーが木質化したら？2つの対処法を解説【剪定・挿し木】

そんな疑問にお答えする記事です。

ローズマリーの木質化の対処法は主に2つあります。

1. 「緩和する（遅らせる）方法」
2. 「リセットする方法」

それぞれの方法は

• 木質化を遅らせる＝剪定（切り戻し）

• 木質化をリセットする＝挿し木

といった作業が必要となり、木質化の進行具合によって使い分けをします。

本日は、この２種類の木質化の対処法について解説していきます。

これまで多くのローズマリーを管理してきた経験を活かして分かりやすく解説していきます。

ローズマリーの木質化の対処法は２パターン

本来、ローズマリーが木質化することは悪いことではありません。

そもそもローズマリーは「常緑低木」というタイプに分類される植物です。

つまり、一年中葉を付けている「樹木」なのです。

それでも、ローズマリーを育てるからには

• コンパクトな庭木として楽しみたい

• キッチンハーブとして若々しい枝を使いたい

こういった目的があり、できるだけ木質化した株にはしたくない方が多いのではないかと思います。

ローズマリーの木質化の対処法は以下の２つのテクニックがあります。

どちらのテクニックを使うかは、皆さんが育てているローズマリーの木質化の状況によって異なります。

それぞれの方法について解説します。

「剪定」でローズマリーの木質化を緩和

先ほどもご説明した通り、ローズマリーは常緑低木といって、木に分類されているハーブです。

ローズマリーの生長は

ローズマリーは少しずつ新しい枝を伸ばしていき、株の下の方の古い枝から順番に木質化していきます。

そのため、何もせずに放っておくと、かなりの高さの株に生長します。

木質化している枝に対しては「剪定（切り戻し）」というテクニックを使って、枝の長さを短くして木質化した枝を若返らせてあげましょう。

イメージはこんな感じです。

何もせずに栽培していくと、株の下の方から徐々に木質化が進んでいきます。

この株を剪定（切り戻し）していきます。

このように枝の位置を低くまで切り下げます。

しばらく栽培していくと…

このように新しい枝が吹いてくるため、株を下の方から若返らせることが可能です。

どの位置で剪定する？

よく「どの位置で剪定すればいいの？」というご質問を受けます。

剪定（切り戻し）する位置によって、以下のメリット、デメリットがあります。

イメージはこんな感じです。

イメージはこうです。

剪定（切り戻し）する場合は新芽があることを確認してから行いましょう。

「新芽」が見つからない場合は、既に木質化が進み過ぎていて切り戻しが難しい状況です。

こういった場合は挿し木で新たな株を作る必要があります。

ローズマリーの剪定の時期は？

• ローズマリーの剪定時期は新芽の吹きやすい春～初夏（5～6月）が最もおすすめです。

• 夏が終わり気温が落ち着いてきた秋（９月下旬～１０月）にも新芽が吹いてきますので、春に剪定が出来なかった場合は秋に剪定することもできます。

• 夏場に剪定をすることも可能ですが、気温が高すぎると剪定してもすぐに新芽が出てくることはありません。

秋になり、気温が落ち着いてくると再び新芽が吹いてきます。

• 冬場は株の生長がストップしているため、剪定時期としては不適切です。

気温の低い時期の剪定は避けましょう。

切り口は小さく、剪定後のケアも大切

木質化した枝を剪定するときは、必ず切れ味の良いハサミを使いましょう。

枝を切るのに苦労して切り口が汚くなると、病原菌が侵入するリスクが高くなってしまいます。

ラベンダー、ローズマリー、タイムなどの枝が木質化する植物の剪定には「剪定鋏」がおすすめです。

岡恒の剪定鋏は切れ味が良く、少ない力で太めの枝でもカットできる優秀な剪定鋏です。

私も仕事用、ガーデニング用のどちらもこのハサミを愛用しています。

また、木質化した枝をたくさん切った後は、殺菌剤を散布しておくと安心です。

どんなに小さな切り口でも、植物にとっては「無防備な部分」です。

病気が侵入してしまうと、大切に育ててきたローズマリーが枯れてしまう可能性もあります。

「予防の散布」をしておけば、剪定後も安心して管理を続けることができます。

使用する農薬は、市販の殺虫・殺菌剤で大丈夫です。

まずはおすすめの化学性の農薬です。

ベニカXネクストスプレーは、様々な殺虫・殺菌成分が入っている農薬です。

次に、有機性の農薬です。

こちらもベニカシリーズで、「ベニカマイルドスプレー」という商品があります。

この農薬は100％食品由来成分からできているため、人体にも優しく、安心して使うことができる農薬です。

特に、有機栽培を心掛けている方は、色々な植物に使える心強い味方になってくれるはずです。

いずれの農薬も、剪定直後の切り口に散布しておくことで、病気を予防する効果が期待できます。

挿し木でローズマリーの木質化をリセットする

切り戻しをしても、株は徐々に老化が進んでいきます。

老化が進んでくると新しい枝の吹きが悪くなり、木質化した部分からは新たな枝が出なくなります。

挿し穂の調整

挿し木に使う「挿し穂」作りましょう。

これで挿し穂は完成です。

挿し木に使う用土

挿し木に使う用土は赤玉土やバーミキュライト、ひゅうが土など、肥料成分が入っていない無機質な土がおすすめです。

市販の園芸用土などは肥料成分が入っていることが多く、腐敗の原因になるため、使わないようにしましょう。

挿し木の時期

ローズマリーの挿し木に適した時期は5～7月です。

特に湿度の高い梅雨時期は発根率が高くなる傾向があるのでおすすめです。

挿し木の成功率を上げたい場合は？

挿し木には、発根させるためのポイントがいくつかあります。

例えば、「ルートン」などの発根促進剤を使うのもポイントの一つです。

切り口にルートンを塗るだけで、発根率が上がり、発根量が多くなる傾向があります。

試したことがない方は、ぜひルートンを使ってみてください。

まとめ

いかがでしたか？

本日はローズマリーが木質化したときの対処法を解説しました。

ローズマリーが木質化することは、生長の一環でごく自然のことです。

それでも少しずつ株元から木質化は進んでいきます。

2つの木質化の対処法を身に付けて、上手にローズマリーと付き合っていきましょう！

それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。