ローズマリーの挿し木|土・時期・どこを切るか、鉢上げと地植えまでプロが解説
- ローズマリーの株をさらに増やして楽しみたい
- 今育てている株が老化してきたから交換したい
- 伸びすぎた枝をカットしたから挿し木をしてみたい
そんな方におすすめの記事です。
挿し木をする理由は様々ですが、成功すればローズマリーの株を増やすことができます。
初心者の方でも安心して挿し木ができますので、記事を最後までお読みいただき、ぜひご自宅のローズマリーで挿し木にチャレンジしてみてください。
- 挿し穂には先端部分の緑の枝を使う
- 用土は肥料成分の入っていないものを選ぶ
- 発根促進剤を使うと成功率アップ
- 挿し木したあとは容器をビニール袋で覆う
- 挿し穂は花穂のない枝の先端から4〜5節を使う
- おすすめの土はバーミキュライトか赤玉土:ひゅうが土=2:1
- 2〜4週間で発根。3〜4号ポットに鉢上げし、根が回ったら地植え(4〜6月)
- 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
- 100種類以上のハーブの栽培を経験
- ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上
仕事柄、これまで数百万本の挿し木を扱ってきた経験を活かして分かりやすく解説します。
ローズマリーの挿し木の手順

ローズマリーの挿し木に使う部分は緑の枝の先端部分です。
まずは挿し木をするための植物をカットして「挿し穂」と呼ばれるものを作ります。
「挿し穂」とは、挿し木をするために調整した枝や茎のことを指します

①まずは植物体から枝を長めにカットして採取しましょう
採取したら、水をはったバケツなどに入れて挿し穂が乾かないようにしておきましょう。

②次に余分な葉を取り除きます
植物体からカットしたばかりのローズマリーの茎にはたくさんの葉がついています。
用土に挿す部分に葉がついていると腐敗の原因になるため、下の方の葉は全て取り除きましょう。

③挿し穂を適切な長さ(10cm前後)にカットします
このとき、切り口の断面を斜めにカットして発根させる部分の表面積を大きくします。
(②と③の順番が入れ替わっても問題ありません)
どこを切る?挿し穂の選び方
挿し穂には、先端から4〜5節くらいの、緑の若い枝を使います。あとで切り口を整えるので、実際には先端から6〜7節くらいの位置で、少し長めに切りましょう。
このとき、花穂がついた枝は避けましょう。花芽は苗のエネルギーを使ってしまうので、発根後の生育に必要な葉だけがついた枝を挿し穂に選びます。
植物には、葉や茎が育つ「栄養生長」と、子孫を残すために花芽をつける「生殖生長」の2つのフェーズがあります。一度生殖生長に入った株は、花芽を切り落としても、周期が変わるまで生殖生長を続けるため、花芽分化は止まりません。花穂を切り落として挿しても、その後また花芽がついてしまうことがあります。
花が咲きそうな枝は、見た目が元気でも挿し穂には向きません。
葉だけがついた枝を選ぶのが、元気な苗を作るコツです!
ローズマリーの挿し木の適期

ローズマリーは冬期を除いていつでも挿し木ができます。
(夏は避けると書いてある場合がありますが、発根します)
気温は、20℃以上は欲しいので、5~10月が適期といえます
特に、空中の湿度が高まる梅雨の時期(6月前後)は最も発根しやすい時期です
夏場に挿し木をする場合の日差しや乾燥には十分注意してください。
挿し木にもっとも適しているのは、空中の湿度が高い時期です。時期ごとの向き・不向きをまとめると、次のとおりです。
| 時期 | 挿し木 | ポイント |
|---|---|---|
| 梅雨(6月前後) | ◎ | 空中湿度が高く、もっとも発根しやすい |
| 春・秋(5月・9〜10月) | ○ | 気温20℃以上が目安 |
| 夏(7〜8月) | △ | 蒸散が盛ん。直射日光を避け、ビニール袋で湿度を保つ |
| 冬 | × | 避ける |
夏は葉からの蒸散が盛んになるため、直射日光の当たる場所を避け、ビニール袋で覆って湿度を高める工夫が必要です。室内で管理する場合は、エアコンの風が直接当たる場所も避けましょう。
挿し木に使う用土

ローズマリーの挿し穂が完成したら、挿し木をするための土を用意します。
挿し木に使う用土は腐敗を防ぐため、必ず清潔な新しい土を使います
ローズマリーの挿し木には「赤玉土」「バーミキュライト」「鹿沼土」「ひゅうが土」などがおすすめです
腐葉土などの有機物が入っているものや、肥料成分が入っている土などは腐敗の原因となるため、使わないようにしましょう。
市販の園芸用培土には初めから肥料が入っている商品が多いため、避けた方が無難です。
お好みの容器・鉢も用意しておきましょう。
バーミキュライトは保水性、排水性ともに優れた挿し芽の用土です。
おすすめの土は?
| 使い方 | おすすめの土 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1種類で使う | バーミキュライト | 保水性・排水性ともに優れ、挿し木の用土に向いている |
| 混ぜて使う | 赤玉土:ひゅうが土(軽石)=2:1 | 保水性と排水性のバランスが良く、発根後しばらく鉢上げできなくても、そのまま育てられる |
鉢上げまで少し間があきそうなときは、赤玉土とひゅうが土を混ぜた土がおすすめです!
挿し木の成功率を上げる発根促進剤

ローズマリーの挿し木の成功率をアップさせるために、発根促進剤を使ってみましょう。
発根促進剤は挿し穂の切り口に塗ることで、根を出しやすくさせる薬剤です。
絶対に必要というわけではありませんが、価格も安く、簡単に手に入るので使うことをおすすめします
様々な商品がありますが、中でも「ルートン」はコストパフォーマンスが高くおすすめです。
※ルートンは「食用作物には使用しないこと」とされています(メーカーの注意事項)。果樹や野菜、料理やハーブティーなどに使うハーブの挿し木には使わず、観賞用として育てる株に使いましょう。
だいたい1本200~500円程度で購入することができます。
私も観賞用に育てる株の挿し木では使っています。
ルートンの使い方と効果

実際にルートンの使い方と効果を解説します。
【ルートンの使い方】
挿し木をする前に、ローズマリーの挿し穂の切り口に白い粉状の薬剤をうすい層になってつく程度にまぶして使うだけです
特別な作業もなく手間もかからないため、初心者の方でも簡単に使うことができます
【ルートンの効果】
ルートンを使用しない場合に比べて発根率が上がり、発根するまでの期間が短くなる傾向があります。
また、根の量も若干増える傾向があります。
▼ルートンについて詳しくまとめた記事も用意していますので、宜しければご覧ください
挿し木が終わったらビニール袋で覆う

- 挿し穂の調整をして
- 用土を準備して
- 発根促進剤を塗ったら
いよいよ挿し木をします。
楊枝や割りばしなどで土に軽く穴を開けて「挿ししろ」を作ってあげると、切り口が傷つくことなくきれいに挿し木ができます。
挿し木が終わったら、容器ごとビニール袋で覆うことをおすすめします
ローズマリーの挿し穂は根が出るまで水を吸い上げる力がほとんどありません。
ほとんどの植物は土に水をあげるだけでは、すぐにしおれてしまいます。
(水に挿しておくだけで発根する植物もあります)
できるだけ植物体の水分を蒸発させないように、「保湿」してあげる必要があります。
ビニール袋で鉢全体を覆ってあげることで、外の空気を遮断して非常に高い湿度の空間を作り出すことができます
ビニール袋を使うことで、挿し木の成功率がグーンと上がります。
園芸の世界では「密閉挿し」という名前で呼ばれるテクニックです。
ぜひ実践してみてください。
挿し木の水やりについては、土にはそこまで多く水やりをする必要はありません。
根は程よく空気を含んでいる土を好みます。
土は水びたしにせず、程よい湿気を保つ程度で十分です。
むしろ、植物体の表面から水を失わないように、挿し穂の葉を常に湿らせておくことが大切です。
葉の表面が乾かないように、ビニール袋で覆いながら霧吹きを使って葉に水をかけてあげると、発根率が高まります。
▼ビニール袋を使った挿し木の方法をまとめた記事も用意していますので、宜しければご覧ください
挿し木のあとの管理と鉢上げ
ローズマリーの挿し木は、2〜4週間で発根します。発根が確認でき、ある程度根が伸びたら鉢上げをします。セルトレイなら、トレイの下から根が出てきたときが目安です。
鉢上げは、一度3〜4号ポットに植え、株がある程度大きくなってから5〜6号鉢へと、段階的に鉢を大きくしていくのがおすすめです。
小さな株をいきなり大きな鉢に植えると、鉢の中の水分を株が使い切れず、過湿になって根腐れを起こす原因になります。
株の大きさに合わせて鉢のサイズを変えるのが、植物を上手に育てるポイントです!
▼鉢上げに使う土は、こちらの記事で紹介しているローズマリーの土がおすすめです。
挿し木苗を地植えにするタイミング
発根後に3〜4号ポットへ鉢上げし、ポットの中に十分に根が回った段階で、地植えにできます。植え付けの時期は、春〜初夏(4〜6月)がベストです。
なお、地面に直接挿し木をする方法はおすすめしません。挿し穂は直射日光を避ける必要があり、乾燥を防ぐために挿し床の水分管理や葉へのミストなど、細かな作業が必要です。地植えでは場所を移動できないため、こうした対応が難しくなります。
挿し木苗の冬越し
発根したばかりの苗は、まだ茎が若く柔らかいため、そのまま屋外では越冬できない場合があります。
日当たりの良い屋内に置くか、簡易のビニールハウスを設置してその中に置くなどの対策をとると、健全な苗に育ちます。
簡易のビニールハウスは、耐寒性の低い植物を冬越しさせるときにも役立つので、ひとつ持っておくととても重宝します。
水挿しでローズマリーを増やす方法
ローズマリーは、水を使った挿し木「水挿し(水差し)」でも増やせます。
- 挿し穂を作り、水に浸かる部分の葉をすべて取り除く
- コップやガラスの容器、100均の透明なプラカップなどに水を入れ、挿し穂を挿す
- 早ければ1〜2週間で発根する
- 根が複数本出て、2〜3cm伸びたら、鉢上げする(鉢上げは段階的に)
容器は、外から根が出ているのが見える透明なものがおすすめです。葉が水に浸かっていると、腐って挿し穂がだめになってしまうので、必ず取り除いておきましょう。
根が伸びていく様子が見えるので、はじめて挿し木をする方にもおすすめの方法です!
オキシベロンで発根率アップ
観賞用として育てる株なら、水挿しを始める前に、植物成長調整剤のオキシベロン液剤を次のどちらかの方法で使うと、発根率アップが期待できます。
- 200〜400倍に薄めた液に、挿し穂の根元を12〜24時間つけてから、普通の水に移す
- 2倍に薄めた液に、挿し穂の根元を5〜10秒つけてから、普通の水に挿す
※オキシベロンは食用作物には登録がないため、料理などに使う株には使わないでください(2026年11月時点)。
まとめ

いかがでしたか?
本日は「ローズマリーの挿し木の方法」について解説しました。
- 挿し穂には先端部分の緑の枝を使う
- 用土は肥料成分の入っていないものを選ぶ
- 発根促進剤を使うと成功率アップ
- 挿し木したあとは容器をビニール袋で覆う
- 挿し穂は花穂のない枝の先端から4〜5節を使う
- おすすめの土はバーミキュライトか赤玉土:ひゅうが土=2:1
- 2〜4週間で発根。3〜4号ポットに鉢上げし、根が回ったら地植え(4〜6月)
ローズマリーは枝も大きく強いため、挿し木に向いているハーブです。
今回ご紹介した方法で挿し木をしていただければ、必ずローズマリーを増やすことができます。
色々なテクニックを使って、ローズマリーの挿し木を成功させましょう!
▼ローズマリーの育て方ポイントを幅広くまとめた記事も用意していますのでご活用ください
▼ローズマリー以外のおすすめのハーブをご紹介!
この記事では育てやすく、味や香りも楽しめるハーブを厳選してご紹介しています
お庭に新しいハーブを迎えてみませんか?
それでは、また次の記事でお会いしましょう。





