フレンチラベンダーを育ててみたいけど、どんな植物?
栽培のポイントを知りたい
そんな方におすすめの記事です。
さっそくですが、みなさんはラベンダーにたくさんの種類があることをご存じですか?
「ラベンダー」とは、Lavandulaという植物たちの総称です
花や葉の形、香りはラベンダーの種類によって様々です
日本で一般的にラベンダーと言えば「イングリッシュラベンダー=コモンラベンダー」という種類のラベンダーを指すことがほとんどです。
みなさんが「ラベンダーの花」、「ラベンダーの香り」と言われて頭に思い描かれているラベンダーは恐らくイングリッシュラベンダーです
そんなイングリッシュラベンダーは高温・多湿に弱く、本州以南で上手に作りこなすのはとても難しいラベンダーです。
その他の多くのラベンダーも高温・多湿に弱い傾向があります。
しかし、フレンチラベンダーは違います!
フレンチラベンダーは別名「ストエカスラベンダー=Lavandula stoechas」と呼ばれるラベンダーです。
数あるラベンダーの中でも、フレンチラベンダーは夏の暑さに強く、丈夫でメンテナンスをあまり必要としないタイプのラベンダーです
そのため、初心者でも安心して栽培ができるラベンダーです。
植えっぱなしでも栽培できますが、手を掛ければさらに元気なフレンチラベンダーを楽しむことができます。
本日はフレンチラベンダーを上手に育てるための栽培のポイントを解説していきます
植え付けから水やり、剪定や挿し木の方法まで幅広くご紹介します
- 植え付けには水はけの良い土を選ぶ(配合する)
- 水やりは乾いたらたっぷりと(乾き過ぎに注意)
- 肥料は緩効性肥料と液肥がおすすめ
- 伸びてきた枝はこまめに剪定(切り戻し)する
- 老化してきたら挿し木をして株を入れ替える
- 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
- 100種類以上のハーブの栽培を経験
- ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上
仕事と趣味で植物を触っている経験を活かして、植物の正しい知識をお伝えします。
フレンチラベンダーの植え付け・土選び
フレンチラベンダーは、他のラベンダーと比べて高温・多湿に強いものの、水分が多い状態は好みません。
植え付けには水はけの良い土を選びましょう。
市販の土を使う場合は、プロトリーフの「ハーブの土」がおすすめです。
鉢植えの場合は必ず鉢底石を入れ、市販の「ハーブの土」または自分で配合した「水はけの良い土」を使います。
この商品は鉢底石がネットに入っているため、設置や回収が楽にできておすすめです。
傷みが少なければ、再利用もできます。
自分で配合する場合は
赤玉土:腐葉土:軽石=6:2:2
の配合割合がおすすめです
軽石は「ひゅうが土」「パーライト」「ゼオライト」などの中から選びましょう。
鉢の底が見えなくなる程度に敷き詰めてあげましょう。
地植えの場合は、たい肥や油かすなどの有機質肥料と苦土石灰を前もって入れておきます。植え付けの際に少量の軽石を混ぜ込むと水はけが良くなるため、おすすめです。
フレンチラベンダーの水やり
フレンチラベンダーは高温・多湿に弱い植物です。
水やりをしたときに、いつまでも鉢の中に水が溜まってしまう状態が続くと、株が弱り枯れてしまう場合があります。
しかし、水はけの良い土に植えていれば、水やりの量を制限する必要はありません。
水やりをした後に、鉢の底からサッと水が抜けてくれるような土に植え付けてあげることが重要です
フレンチラベンダーの肥料やり
フレンチラベンダーは春から秋にかけて枝や葉が旺盛に出てきます。
枝や葉を展開させるには、たくさんのエネルギーが必要です。
元気な生長が維持できるようにしっかりと肥料を与えましょう。
フレンチラベンダーの肥料のベースには緩効性肥料がおすすめです
ペンタガーデンPROは植物の生育に重要な「5-アミノレブリン酸」入りの肥料です。
お値段は少し高めですが、私も色々な植物でこの緩効性肥料を使っています。
緩効性肥料を置いておくことで、長い期間じわじわと効果が続きます。
5~6月の花が咲く時期には2週間に1回のペースで液肥を与えると、株疲れが起きづらくなります
地植えで栽培する場合は、植え付け前に「たい肥」や「油かす」を混ぜ込んでおくと、良好な土壌の状態をキープすることができます。
フレンチラベンダーの剪定
実は、ラベンダーは樹木(低木)に分類されるハーブです。
フレンチラベンダーは枝の生長スピードが速く、あっという間に伸びていきます。
このまま伸びた枝を放置しておくと、徐々に木質化(木の様になること)していきます
木質化が進んだ部分からは、新たな葉が出づらくなり、最終的には枯れ木のような状態になってしまいます。
木質化の進行を緩やかにするためには、剪定(切り戻し)が効果的です
こまめに剪定(切り戻し)をすることで、新たに若い枝を出すことができます。
剪定(切り戻し)のイメージを解説します。
何もメンテナンスをせずにフレンチラベンダーを育てると、下から木質化が始まり、このような姿になります。
この枝を剪定(切り戻し)していきます。
すると、横から新しい枝が吹いてきて、枝を若返らせることができるという仕組みです。
剪定のタイミングは花が咲き終わる6月頃と、夏場に伸びた枝を整える9月頃がおすすめです。
春の開花前に剪定をしてしまうと、一緒に花芽を切ってしまう可能性があるため、避けた方が無難です。
樹形を整える効果もあるので、伸びてきた枝は定期的に剪定しましょう
▼木質化したラベンダーの対処法を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください
木質化が進んだら挿し木で新たな苗を作る
フレンチラベンダーの木質化は、フレンチラベンダーが樹木であるが故の自然現象です。
健全に生長している証拠です。
木質化はゆっくりと進んでいき、いつかは株が老化していきます。
剪定(切り戻し)では完全に木質化をストップさせることはできません
木質化が激しくなってきた時は、挿し木をして新たな苗を作り現在の株と交換するタイミングです。
フレンチラベンダーの挿し木の方法
カットした枝についている葉を取り除きます。
先端から5~10cmの長さで枝を切除して挿し穂を作ります。
この時、切り口を斜めにカットしましょう。
切り口を斜めにカットすることで、カット面の表面積が広がり、根が出やすくなります。
ルートンなどの発根促進剤を使うことで、さらに発根率を高めることができます
ルートンを使うと、発根率が上がり、発根量も増える傾向があります。
安いので、1本持っておくととても便利です。
▼ルートンがよくわからない方はこちらの記事をチェックしてみてください
挿し木が終わったら、容器にビニール袋をかぶせることで空中の湿度が高まり、根が出やすくなります
▼ビニール袋を使った挿し木(密閉挿し)について詳しく解説しています
まとめ
いかがでしたか?
本日はフレンチラベンダーの育て方のポイントを解説しました。
- 植え付けには水はけの良い土を選ぶ(配合する)
- 水やりは乾いたらたっぷりと(乾き過ぎに注意)
- 肥料は緩効性肥料と液肥がおすすめ
- 伸びてきた枝はこまめに剪定(切り戻し)する
- 老化してきたら挿し木をして株を入れ替える
フレンチラベンダーは、ラベンダーの中でも育てやすさ抜群のラベンダーです。
ぜひこの記事を読んで、ラベンダー栽培を楽しんでみてください!
▼フレンチラベンダー以外のおすすめのハーブをご紹介!
この記事では育てやすく、味や香りも楽しめるハーブを厳選してご紹介しています
お庭に新しいハーブを迎えてみませんか?