PS5の登場により、グラフィックの向上や処理速度の高速化が進み、家庭用のゲーム環境はめざましい進化を遂げています。
TVも4K以上の解像度が主流になり、家庭でも大画面のパネルで映画やゲームを楽しむ人が増えています。
せっかくダイナミックな映像を楽しむなら、音環境にもこだわりたいという方も多いのではないでしょうか?
最近では、大きなスピーカーやアンプを設置しなくても、スマートに迫力のある立体音響を楽しめるサウンドバーが各社から発売されており、注目されています
それぞれの製品には、スピーカーの数から細かな音質のこだわりまで、様々な特長があり、強みがあります。
ここでPS5ユーザーなら、
PS5に最適なサウンドバーを選ぶとき、どんな性能に注目すれば良いの?
と、気になっている方も多いのではないでしょうか?
結論から申し上げれば、「4k120fps/8kパススルー機能を搭載していること」がPS5の持つ性能を損なうことなくゲームを楽しめるサウンドバーの前提条件になります。
この機能を持つサウンドバーで製品を絞り込み、あとは音質やその他の機能面を見ながら好みのサウンドバーを検討していくのが理想的です。
とはいえ、4k120fps、8kをパススルー可能なサウンドバーは技術的にも新しく、まだほとんど存在していません。
そこで、この記事ではPS5の性能をおさらいしながら、PS5の性能を活かすことができるTVやサウンドバーのスペックについて考えていきます
サウンドバーはPS5と直結が基本=パススルー機能が必要
前提条件として、サウンドバーの接続方法を確認しておきます。
今回の記事内容に大きく関係しますので、はじめに情報を共有します。
サウンドバーの接続方法は大きく2種類あります。
- PS5⇒サウンドバー⇒TV
- PS5⇒TV⇒サウンドバー
⇒はHDMIケーブルで接続しています。
2つの繋ぎ方の大きな違いは、「PS5から音を出すのか」「TVから音を出すのか」です。
これは、①の繋ぎ方をおすすめします。
理由は主に2つあります。
- 一つ目は、PS5の音を直接サウンドバーから出力することによって、音質を損なうことなくサウンドを楽しむことができるためです
- 二つ目は音を伝える速さに関係しており、TVを経由してからサウンドを出すと、遅延(音ズレ)が起きる場合があるためです
※遅延(音ズレ)とは、TVに映し出されているゲーム画面に対してわずかに音が遅れてスピーカーから出る現象を指します。
②の接続方法は、人物の口の動きと発せられる言葉にタイムラグが生じたり、モーションに対する効果音が遅れて聞こえたりする場合があるというわけです
この現象に遭遇しないためにも、①の繋ぎ方をおすすめします。
PS5⇒サウンドバー⇒TVと接続している場合は、PS5から出ている映像信号をサウンドバー経由でTVへ伝える必要があります。
ここで「パススルー機能」の出番です。
サウンドバーは単なる音を出す機械ではありません。
PS5やDVD・ブルーレイプレイヤーなどと接続すれば、映像信号をTVへ伝送してくれる機能が付いています。
この機能のおかげで、PS5⇒サウンドバー⇒TVのように、PS5とTVの間にサウンドバーを接続してもPS5から出力された映像信号をTVに伝えることができます。
イメージはこんな感じです。
PS5とサウンドバーの接続は、「パススルー機能のついているサウンドバーを使って、PS5⇒サウンドバー⇒TVとする」のがベストの選択になると考えられます。
サウンドバーの検討に必要なPS5の性能
パススルー機能は現在発売されている多くのサウンドバーに採用されています。
しかし、パススルー機能が付いているからと言って、PS5の全ての映像情報をTVに伝えられるとは限りません。
パススルーされる映像情報は、主に4k、8kなどの「解像度」や物体が動く滑らかさを数値化した「フレームレート」、より鮮明なグラフィックを描写させる「HDR」などが関係しています
「HDR」機能は最近のサウンドバーであればほとんどの機種でパススルーが可能です。
しかし、「解像度」と「フレームレート」は、サウンドバーの機種によってパススルーできるレベルにかなりの差があります。
PS5の出力できる「解像度」と「フレームレート」のレベルを余すことなくパススルーできるサウンドバーこそが理想的なサウンドバーということになります。
では、実際にPS5の出力できる解像度とフレームレートを見ていきましょう。
PS5は最大で4k120fpsおよび8k解像度まで出力可能であることが分かっています。
つまり、サウンドバーもこれと同等のパススルー機能を持っていれば、PS5の解像度とフレームレートをTVにパススルーすることが出来るというわけです。
4k120fps、8kをパススルーできるサウンドバーを探す
PS5の出力する映像情報が分かったところで、それに見合ったサウンドバーを探していきます。
とはいえ、2021年9月時点で4k120fps、8kをパススルーできるサウンドバーはほんの一握りで、高価なAVアンプですら4k120fpsや8kに対応した製品はまだまだ少ない印象です
2021年9月時点で4k120fps、8kがパススルー可能なサウンドバーはソニーのHT-A9とHT-A7000のみとなります。
2021年夏まではPS5の出力する4k120fps、8kをパススルーできるサウンドバーは販売されていませんでしたが、サウンドバーの世界にもこれらの映像情報をパススルーできるハイスペックな製品が登場しました
私もこのスペックのサウンドバーの発売を心待ちにしていました。
近いうちに、各メーカーからソニーの製品と同等のスペックの機種が発売されることが予想されます。
PS5とサウンドバーの接続イメージ
PS5とサウンドバーの接続を図で表すとこのようになります。
PS5の持つ映像情報がサウンドバーを介してTVにパススルーされていることが分かります。
これで無事にTVに4k120fpsの映像が映し出されるはずですが…
ここで注意点が3つあります。
サウンドバーだけでなく、「TV」「HDMIケーブルの規格」「遊ぶソフト」の3つの環境が揃うことで初めて4k120fpsなどの高画質な映像でゲームを遊ぶことが出来るということです
注意点① TVが4k120fpsあるいは8kに対応しているか?
注意点の1つ目は、TVが4k120fpsあるいは8kに対応するものである必要があることです。
せっかくサウンドバーの環境を整えても、TVの最大出力が4k60fpsであれば、たとえパススルーされた信号が4k120fpsでもTVに映し出される映像は4k60fpsに制限されてしまいます。
イメージ図は以下の通りです。
PS5、サウンドバー、TVの全てが4k120fps、8kに対応していることで、初めてPS5の持つ性能を引き出すことができるというわけです。
注意点② HDMIの規格がHDMI2.1でなければならない
2つ目はHDMIケーブルの規格をHDMI2.1にすることです。
HDMIケーブルには規格があるのをご存知でしょうか?
このように様々な規格があり、HDMIケーブルの規格によって、伝送できる情報が異なります。
右の規格に行くほど多くの映像情報を伝送できますが、HDMIケーブル自体の価格は高くなります。
Amazonなどで「HDMIケーブル」と検索して安いものは、この規格が低いランクの場合が多いです。
4k120fps、8kいずれの映像情報も伝送できるのは、現在最もランクが高いHDMI2.1の規格のみです
ケーブル1本の値段は少しお高めですが、この規格のケーブルを使わなければPS5の持つ映像情報をフルに伝えることはできません。
接続イメージはこのようになります。
エレコムが国産のHDMI2.1規格のケーブルを販売しています。
Ultra High Speed HDMI(R) Cable規格認証済の数少ないケーブルです。
価格は高めですが、安心して使える商品です。
私は全てのHDMIケーブルをエレコムのHDMI2.1ケーブルで統一しています。
2022年2月現在、唯一の国産HDMI2.1ケーブルとなっています。
本家ソニーからは現在のところHDMI2.1ケーブルは発売されていません。
注意点③ 遊ぶソフトも4k120fps、8kに対応している必要がある
3つ目はPS5のソフト自体が4k120fps、8kに対応している必要があることです。
せっかく環境を整えても、肝心のソフトが4k60fps対応であった場合は、映し出される映像は4k60fpsとなります。
こればかりは自分の努力ではどうしようもできないので、対応ソフトが増えることを期待しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
PS5の持つ映像出力は4k120fps、8k対応と非常に高いスペックを持っています。
現状はPS5の出力する映像情報に対応できるTVやサウンドバーは少なく、PS5の性能を十分に活かせる環境が整っているとはいえません。
ですが、4k120fps、8kに対応したサウンドバーがソニーから発売されたことを皮切りに、今後は各社から次々と対応機種が出てくることが予想されます。
そのときに、今回ご紹介した記事を参考にPS5の性能を十分に活かせるサウンドバー選びをしていただければ嬉しく思います。
補足:TVは4k120fps、8k対応、サウンドバーは4k60fpsの場合
「TVは4k120fps、8k対応しているけれど、サウンドバーは4k60fpsパススルーのものを購入したい。」
という方は、PS5⇒TV⇒サウンドバーと接続することで、TVの映像は4k120fps、8kで表示されます。
その後、TVの音声をHDMIケーブルを介してでサウンドバーに伝送する場合、TVとサウンドバーの両方にARCという機能が搭載されている必要があります。
Audio Return Channelの略
HDMIケーブル1本でTVの映像と音声を伝送する技術
イメージはこうなります。
ARC対応機種でこのように接続すれば、TVの映像に対応した音声がサウンドバーから出るようになります。
TVとサウンドバーにそれぞれ「ARC」と書かれている端子があるため、HDMIで双方を接続することで有効になります。
最近では、より高品質なTVからの音声情報をサウンドバーに伝送することができる「eARC」という技術が導入されている機種も登場しています
enhanced Audio Return Channelの略
ARCよりさらに品質の高い音声を伝送することができる技術
この技術を使えば、直接PS5をサウンドバーに接続しなくても、HDMIケーブル1本でTVからサウンドバーに高音質の音声情報を伝送することができます。
4k120fps、8kのTVを既にお持ちで、4k60fps以下のパススルー機能のサウンドバーを購入される方は、この接続方法がベストかと思いますが…
はじめにご説明した通り、PS5⇒TV⇒サウンドバーの接続方法は「遅延(音ズレ)」が生じる可能性があります
PS5の音がTVを経由してからサウンドバーに到達するため、映像よりも若干遅れて音が出る場合があります。
機種により遅延の程度は異なります。
違和感がある場合は、映像のスペックを落とすことになっても、PS5とサウンドバーを直接接続することをおすすめします。
▼音の遅延については別の記事で詳しく書いています
みなさんのサウンドバー選びの参考になれば幸いです。
▼次の記事では我が家のTVとサウンドバーを例に実際の接続方法をみていきましょう