そんな疑問にお答えする記事です。
夏の薬味として大活躍するシソ(青じそ・大葉)
ご自宅で育てているという方も多いのではないでしょうか?
シソは誰でも手軽に栽培できる植物ですが、大きくて立派なシソを育てるにはいくつかポイントがあります!
本日はシソを栽培するときに役立つポイントを整理してご紹介します。
- 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
- 100種類以上のハーブの栽培を経験
- ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上
シソは好みの環境がはっきりとしています。
ポイントをおさえれば、収穫量は2倍!なんてことも珍しくありません。
ぜひ最後までお読みいただいて、ご自宅のシソを立派に育ててみてください。
- シソは生長スピードがとても速い植物
- 最大の攻略ポイントは「水」 常にたっぷりの水を与える栽培を心掛ける
- 肥料切れにも注意
- ピンチをすることで収量は2倍以上に!
- アブラムシ、ハダニに注意
- 【補講】花が咲いたら寿命は終了!どんなに若くても花は咲く!
- 開花の条件は日が短くなること。早い時期の種まきに注意
それでは、解説していきます。
シソ(大葉)の人生は太く短く!短期集中型の植物
シソは春に種をまいて、夏に花が咲き、秋のはじめには種を着けて枯れてしまう植物です。
「一年草」について詳しくお勉強してみたい方はこちらをご覧ください。
シソはライフサイクルが非常に短い植物で、まさに「夏の香味野菜」の代表選手です。
寿命が短い分、その生長スピードはとても速く、あっという間に人の背丈ほどに生長します
生育期間がギュッと凝縮されているため、水や肥料などの管理は他の植物よりも大切です。
栽培のコツは「短期集中!」です
短い間にどれだけ愛を与えられるか…
そのあたりを念頭に置いて、栽培方法を一緒にみていきましょう。
シソ(大葉)の栽培方法
栽培イメージを作りました。
種まきから収穫までポイントを順番にご紹介していきます。
シソ(大葉)の種まき
4月上旬から下旬くらいまでが種まきの適期です。
発芽は15~20℃くらいの温度があれば発芽してきます。
シソの種は「好光性種子」というタイプの種になります。
- 発芽に光を必要とする種のこと
⇒種をまいたら覆土(上から土をかける)は控えめにすることがポイント
全くかけないと、種の表面が乾いてしまうことがあるので、あくまで「控えめ」がポイントです。
種まきをよくされる方は、「セルトレイ」を使うと良い苗を育てやすいのでおすすめです
私も、家や職場で大活用しています。
ふた付きのセルトレイは、発芽したての苗を寒さや乾燥から守れるため、シソの苗はもちろん、色々な植物の苗づくりに役立ちます
丈夫な苗が出来ると、植え付けたあとの生長が全く違いますので、種から植物を育てる方にはおすすめです
最後に、シソの種まきでやってはいけないことがあります。
それは昼間の長さが短い時期(3月中旬より前)に種まきをすることです
シソの特性上、すぐに花が着き、苗のままライフサイクルが終わってしまいます。
記事の最後の方で詳しくご説明します。
シソ(大葉)の植え付け
鉢植え、地植えのどちらでも栽培可能です。
- 種から育てている方は、本葉が2~4枚出た苗を鉢や地面に植え付けましょう
- 苗を購入された方は早めに大きめの鉢に植え替えてあげましょう
シソは大きな株になりますので、鉢植えにする場合は5号鉢(直径15cm)以上の鉢を選びます。
土は市販の園芸用培土のみで大丈夫です
慣れている方は出来るだけ水もちが良い土を選びましょう
シソは寒さが苦手なので、5月初旬くらいまでは出来るだけ暖かいところで育ててあげましょう。
種から栽培する方は、先ほどのフタつきセルトレイがあれば保温効果が期待できるため活躍します。
シソ(大葉)の水やり
シソ栽培の最大の攻略ポイントは「水」です。
植え付け直後、しばらくは気温が低く苗も小さいため、土が乾いたタイミングで水やりをします。
5月下旬くらいから気温が上がってくると、凄まじいスピードでシソが生長してきます
ここからは水がどんどん消費されるので、水切れを起こさないように、水やりの量も頻度も上げていきます。
水切れを起こすとすぐにしおれてしまうので、「少し多め」を意識して水やりをしていきましょう。
シソ(大葉)の肥料やり
シソは生長のスピードが速いため、肥料を絶やさずに与えることも大切です。
栽培期間中は「緩効性肥料」を置いておくと、じわじわと肥料の効果が出続けるので、必ず置いておきましょう
急激な生長が始まったら、すぐに効果の出る液肥を2週間に1回程度プラスして使ってあげると、波に乗るようにスムーズに生長していきます。
シソ(大葉)のピンチ
ピンチ=シソの収穫量を上げるポイントです。
「先端の芽」をカットするガーデニングのテクニックです
何でそんなことするの?と思いますよね。
図で表すとこんな感じです。
先端の芽をカット(ピンチ)することによって、たくさんの「わき芽」が出てきます。
図では、今まで1本だった茎が二股に分かれたことによってピンチをしないときに比べて収穫量がおよそ2倍に増えることになります
「ピンチ」をしたことのない方は、ぜひお試しください。
もっとピンチを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
シソ(大葉)につく害虫
シソはアブラムシ、ハダニがとても発生しやすい植物です
発生初期であれば、洗い流すだけで対処できる場合も多いので、見つけ方のポイントをご紹介します。
- アブラムシは茎の先端のやわらかい新芽に発生しやすい害虫
- 新芽にアブラムシがつくと、養分が吸われ、新芽がグチャっとつぶれたような状態になり、生育が悪くなる
- 新芽がダメージを受けすぎると再起不能になることもあるので、定期的に新芽をチェックして、アブラムシがついていないか確認!
アブラムシが発生したら、すぐに水で洗い流すか、「ピンチ」のつもりで先端をカットしましょう。
- ハダニは乾燥した環境を好む
- 夏になって周りが乾燥してくると、古い葉を中心に発生
- 確認のポイントは葉の表面に「白いかすれ」が出ていないかチェックすること
こんな感じの跡がついていたら、葉の裏にダニがいる証拠です。
発生を確認したら、すぐに葉を取り除きます。
※食害がひどくなければ、葉はよく洗って食べられます!
ハダニは乾燥を好むため、水やりのときに葉に水を打つと予防対策ができます。
- アブラムシ…先端の新芽
- ハダニ…古い葉
【花が咲くと寿命は終了】シソ栽培は昼間の長さがカギ
- 少し難しいことを書きます
- この項は読み飛ばしていただいてもシソの栽培には大きな影響はありません!
シソは一年草の植物です。
一年草は、花が咲き、種が着いたら一生を終える植物です。
つまり、花が咲いたらシソの寿命はおしまいです。
シソの花が咲く条件は、ずばり「一日の昼間の長さ」に関係しています
夏が終わりに近づき、一日の昼間の長さが短くなってくると、シソは花を着け、一生を終えます。
(夜になる前にライトで強い光を当てると、シソは昼が続いていると勘違いして、花を着けません)
みなさんに注意していただきたいのは、夏の終わりの話ではなく、「春の種まきの時期」です
まだ昼間の長さが短い3月に種をまくと、シソは「日が短い=秋がきた」と勘違いをして、いきなり花を咲かせようとします
一度花が着いてしまったら、後戻りはできません。
シソを楽しむ間もなく、寿命を迎えてしまいます。
種まきは4月に入って、少し昼間の長さが伸びてきてからにしましょう!
まとめ
いかがでしたか?
本日は、夏の香味野菜の代表選手「シソ(大葉)」の栽培のポイントをご紹介しました。
- シソは生長スピードがとても速い植物
- 一番のポイントは「水」 常にたっぷりの水を与える栽培を心掛ける
- 肥料切れにも注意
- ピンチをすることで収量は2倍以上に!
- アブラムシ、ハダニに注意
- 花が咲いたら生長は終了
- 花は昼間の長さが短くなると開花、3月の種まきに注意!
シソの栽培は決して難しくありません。
今日の記事のポイントをおさえておけば、誰でもたくさんのシソを収穫することができます。
一緒に夏の香味野菜を楽しみましょう!
それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。