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ラベンダーの葉に白い斑点が?ハダニが発生したときの対処法

ラベンダーの葉に白い斑点が出てきたけど、これは何!?

そのラベンダーは、ハダニが発生しているかもしれません!



ラベンダーの葉に白い斑点が出ている場合、以下の2パターンの可能性が考えられます。

  1. うどんこ病が発生している
  2. ハダニが発生している

こぶた

見分け方は簡単で、葉の裏をよく観察してみましょう

0.5mm程度の小さな虫が見えた場合、それはハダニの可能性が非常に高いです

すぐに対処が必要なので、このまま記事を読み進めていただければ幸いです。



葉の裏を見ても何も見当たらなかった場合は、すでにハダニが去ってしまった後か、その斑点がうどんこ病である可能性があります

葉の表面をよく観察して、葉の表面に白い粉のようなものが付着している場合うどんこ病の可能性が高いです。



この記事では、ラベンダーの葉に発生した「白い斑点」の原因の一つとなるハダニの対処法について解説していきます。

ぽん

早期に発見して治療ができれば、再び元気なラベンダーを楽しむことができます

ぜひ記事の内容を実践していただけると嬉しいです

本日の要点

白い斑点の正体はハダニの可能性大

  • ハダニは植物の養分を吸汁する害虫
  • 吸汁された跡が白い斑点(かすれ模様)になる
  • 吸汁された植物は衰弱してしまう
  • ハダニは主に葉の裏に生息している
  • ハダニは産卵スピードが速く、すぐに増殖する



ハダニが発生したらすぐに治療!

  • 発生している葉を出来るだけ取り除く
  • 農薬を散布する(卵には効かない農薬が多い)
  • 卵が孵化するタイミングでもう1度散布する
  • 短いスパンで集中的に駆除するのがポイント



ハダニ発生の予防のポイント

  • ハダニは乾燥条件で発生しやすい害虫
  • ハダニは水を嫌うため、葉水が効果的
  • ミスト状にして葉の裏に水を打つと効果大
  • 定期的な予防薬散(有機がおすすめ)

記事の信頼性(筆者について)
  • 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
  • 100種類以上のハーブの栽培を経験
  • ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上

これまで多くの植物を相手にしてきて、様々なハダニを対処した経験を踏まえて分かりやすく解説していきます。



白い斑点の正体はハダニの可能性大

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育てているラベンダーの葉が突然白くなった場合、疑うべきなのは「うどんこ病」または「ハダニ」です。



どちらが発生しているかは、葉の表と裏を観察することで確認することができます。

  • 葉の表面を観察したときに「白い粉状の物質」が発生している場合、うどんこ病の可能性が高い
  • 表面にぶつぶつと白い斑点があり、裏面に小さなクモのような虫が確認できた場合はハダニが発生している

※ハダニが去ったあとで確認できない場合もあります。



白い斑点(かすれ模様)が出ている場合は、まず葉の表と裏を観察してみましょう。



ハダニとは

Spider mites



そもそもハダニとはどういった生物なのかを見ていきましょう。



ハダニは、広くはクモの仲間で、葉の上に生息する虫です。



葉の養分を吸汁して繁殖していきます。

葉の表面にできる「白い斑点(かすれ模様)」はハダニが葉の養分を吸汁した痕になります

ハダニは1種類ではなく、たくさんの種類がいます。

どの種類も小さく、体長は0.5mm前後のものがほとんどです。



ハダニは基本的に葉の裏に生息しています。

繁殖サイクルが早く、孵化後、15~20日で自分も産卵できるようになります。

また、メスは交尾せずにオスを産むことができます(交尾しないとメスは産まれない)。

このため、ハダニは放置しておくと短期間で爆発的に増殖していきます

葉の表面が白い斑点(かすれ模様)だらけになっているということは、それだけハダニが増殖し葉の養分を吸汁している証拠です



養分を吸われた植物は、生育不良を起こしたり、傷口から病原菌が侵入して病気になったりすることも少なくありません。



ハダニが発生したら速やかに治療を!

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ハダニを発見したら、出来るだけ素早く対処することが重要です。

ハダニは一度発生すると、すさまじいスピードで増殖していきます。

1匹のメスのハダニの総産卵数は100個前後ともいわれており、1回のサイクルでハダニは何十倍にも増殖することができます

最も一般的な治療法「葉を取り除く(物理的な治療)」「農薬の散布(化学的な治療)」です。

2つの方法を組み合わせることで治療の効果を最大限に高めることができます。

  • まずは、ダニが多くついている葉を取り除きます。

ハダニは古い葉に発生する傾向が強いため、株の下の方は特に念入りに調べましょう。

大量に発生している場合は、枝ごと切除していきます。

下の方の古い葉は、光合成能力も低く生長にはあまり重要ではないため、気前よく取り除きましょう。



  • ハダニの個体数を減らしたところで、次は農薬を散布します。

農薬の散布にはいくつかポイントがあります。



  1. 殺ダニ剤」という系統の農薬が効果的
  2. しっかりと葉の裏にかける
  3. 抵抗性が付くため、短い期間で勝負をつける

順番に解説します。



ハダニに対する農薬の選び方

Rosemarry-with-spider-mites



ハダニ対策の農薬の選び方を解説します。



農薬には様々な種類があります。



同じ「殺虫剤」というカテゴリーの中にもたくさんの種類の農薬があり、それぞれの商品によって得意な害虫が異なります。

農薬Aは「ガの幼虫」、農薬Bは「アブラムシ

のように、農薬によって得意分野が違います



農薬の系統の中に「殺ダニ剤」という、ダニを退治することに特化した農薬があります。

市販で購入できる農薬で最もおすすめなのは、「コロマイト」という農薬です



コロマイト殺ダニ剤の一種で、ダニに対して非常に効果が高い農薬です。



業務でも使用できるレベルで、私もハダニが発生したときに最もよく使う農薬の一つです。

このコロマイトに含まれる殺ダニ成分の「ミルベメクチン」は微生物が生産する天然成分で、使用しても「有機栽培」と表示できる農薬とされています

非常に効果が高く、有機栽培にも配慮されている数少ない農薬です

ホームセンターなどで販売されている一般的な殺虫剤でもハダニに対して一定の効果があります。



市販の殺虫スプレーであれば、「ベニカXファインスプレー」がおすすめです。



効果がダニ類に限定されている「コロマイト」に対して、「ベニカXファインスプレー」は非常に広い範囲の虫に効果のある薬剤です。



この薬剤の中に入っている「フェンプロパトリン」という成分はハダニを含む様々な害虫に効果があります。



ベニカXファインスプレー」は殺菌成分も含まれているため病気にも効果があり、家庭に1本あると便利な農薬です



農薬は効果があるのは分かっているけれど、あまり使いたくない…

という方も多くいらっしゃると思います。



そんな方には、効果は化学性の農薬に劣りますが、100%食品成分だけで出来ている殺虫・殺菌剤が販売されています



ベニカ マイルドスプレー」は、化学殺虫成分を使っていないため、有機栽培をされている方やお子さんがいらっしゃる方でも安心してお使いいただけます。



  • ダニの治療に特化した「殺ダニ剤
  • 色々な害虫に効果のある「一般的な殺虫剤
  • 安全性の高い「有機農薬

3タイプの中からご自身の考えに一番合っている農薬を選んで、ハダニの発生しているラベンダーに散布しましょう。



農薬の散布の方法

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農薬を散布するときのポイントはハダニの発生している「葉の裏にしっかりと農薬をかけることです。



ほとんどの農薬は、農薬の霧が直接害虫に当たることで効果を発揮します。

農薬は、上からサラっとかけるのではなく、噴霧の口を逆さに向けて葉の裏にも農薬をかけるようにすると高い効果を発揮します

(一部の農薬は「浸透移行性」といって、適当に散布しても勝手に植物全体に効果が行きわたるタイプもあります



ハダニが発生してしまったときの農薬散布の頻度

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ハダニを完全に退治するには、1日おきくらいの間隔で2~3回集中して散布するのがおすすめです。



多くの殺虫剤は、ダニの卵には効果がありません

農薬をまいたときに卵だったハダニは、数日後に孵化して、再び増殖を始めます。

1度まいて、しばらく様子を見て…またハダニが出たらまいて…と、ズルズルと管理するよりも、

2、3回集中して散布して、ハダニを完全に退治してしまうのがおすすめです。



ラベンダーに発生するハダニを予防する方法

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ハダニが発生したときの対処法はご理解いただけたでしょうか?

最後に、ハダニの発生を予防する方法をご紹介します。

発生したハダニを対処することは大切ですが、そもそもハダニが発生しにくい環境を整えてあげることが最も重要です。



日頃の管理の中で実践できることばかりですので、参考にしてみてください。



ハダニは乾燥条件で発生しやすい

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前提として、ハダニは乾燥条件で発生しやすい害虫です。



ラベンダーが過湿に弱いからといって、あまりにも乾燥状態が続くとハダニ発生の原因になります。



水はけの良い土に植えて、水やりはしっかりと行いましょう。



ハダニの予防には葉水が効果的

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ハダニは乾燥を好み、水を嫌います。

水やりをするとき、葉に水をかけるようにすると、ハダニの発生予防に効果的です

ミストに切り替えができるノズルがあれば、ミストを葉の表と裏にかけることで、葉の表面に水を乗せることができます

定期的に農薬を散布する

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ハダニは体が小さいため、なかなか見つけることができず、発見が遅れてしまいがちです。



そこで、「予防のための農薬散布」が非常に有効です。

ご紹介したベニカマイルドスプレーなどの化学成分の入っていない「有機農薬」を定期的に散布することでハダニの発生を抑えることができます

有機農薬は、ハダニが大量発生したときの治療効果は薄いですが、予防的に使う農薬としてはとても優秀です。

定期的に散布すれば、安全性の高い農薬だけで虫や病気を予防することができます



ラベンダー以外の植物にも効果的な方法ですので、定期的に予防のための薬剤散布を実践してみてください。



まとめ

conclusion



いかがでしたか?

本日はラベンダーに発生したハダニの対処法について解説しました。

本日のおさらい

白い斑点の正体はハダニの可能性大

  • ハダニは植物の養分を吸汁する害虫
  • 吸汁された跡が白い斑点(かすれ模様)になる
  • 吸汁された植物は衰弱してしまう
  • ハダニは主に葉の裏に生息している
  • ハダニは産卵スピードが速く、すぐに増殖する



ハダニが発生したらすぐに治療!

  • 発生している葉を出来るだけ取り除く
  • 農薬を散布する(卵には効かない農薬が多い)
  • 卵が孵化するタイミングでもう1度散布する
  • 短いスパンで集中的に駆除するのがポイント



ハダニ発生の予防のポイント

  • ハダニは乾燥条件で発生しやすい害虫
  • ハダニは水を嫌うため、葉水が効果的
  • ミスト状にして葉の裏に水を打つと効果大
  • 定期的な予防薬散(有機がおすすめ)

ラベンダーの葉に白い斑点(かすれ模様)が見られたら、ハダニの発生を疑いましょう。

ハダニは早期に治療することが重要です。

ハダニが付いた葉を除去し、農薬を散布することで発生を最小限にとどめれば、再び元気なラベンダーを楽しむことができます

この記事がハダニの防除に役立てば嬉しい限りです。

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