ハーブ

ラベンダーの植え替え方法について【植え替えのメリットと理由も解説】

  • ラベンダーの植え替え手順を知りたい!
  • どんな大きさの鉢に、どんな土を使って植え替えればいいの?
  • そもそも何で植え替えをするの?

一言で「植え替え」と言っても、色々な疑問が出てくると思います。

本日は、そんなラベンダーの植え替えについて、様々な疑問にお答えしながら、ポイントを整理していきましょう。

はじめに、ラベンダーの植え替えポイントを列挙してみます。

本日のポイント
  • 植え替えをするときの「鉢のサイズ」について
    • 若い苗を植え替えるときは、鉢のサイズを大きくする
    • 鉢を大きくすると、株も比例して大きくなる
    • 好みの株の大きさになったら、鉢の大きさを維持して植え替える
  • 苗が若いうちは半年に1回、成熟した株は2年に1回を目安に植え替える
  • 植え替えの土には水はけの良い土を使う
  • 植え替えは春と秋が適している
  • 植え替えのタイミングで剪定をして樹形を整える

こぶた

一度に出されても分かりづらいですよね

ぽん

具体例も交えながら、一緒に植え替えのポイントを整理していきましょう

記事の信頼性(筆者について)
  • 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
  • 100種類以上のハーブの栽培を経験
  • ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上

これまで何百株ものラベンダーの管理をしてきた経験を踏まえて分かりやすく解説していきます。

ラベンダーに植え替えが必要な理由

Replanting

そもそも、なぜ「植え替え」という作業が必要なのでしょうか?

理由は3つあります。

  1. 大きくなった株に見合う鉢にサイズアップするため
  2. 張り過ぎた根をほぐし、整理するため
  3. 痩せた土を新しい土に交換するため

①はこれから大きくなるラベンダーの生長を促すための植え替え

②、③は大人になったラベンダーの健康を維持するために必要な植え替え

というイメージです。

理由① 鉢のサイズアップをするため

生育中の若いラベンダーを栽培している場合に必要になる作業です。

栽培に使う鉢は、株の大きさにピッタリか、やや大きめの鉢を使うのが基本です

極端な例を挙げるとすれば、将来的にラベンダーが大きくなるからといって、3号ポットで買ってきたラベンダーの苗をいきなり10号鉢に植え付けたりすると、生育不良を起こしてしまいます。

若い苗を栽培している場合は、少しずつ鉢のサイズを大きくするために定期的な植え替えが必要です。

理由② 根をほぐし、整理するため

長い期間ラベンダーを栽培していると、鉢の中いっぱいに根が張り巡らされる「根鉢」という状態になります。

このまま栽培を続けていくと、根は行き場を失い、健全な生育が出来なくなってしまいます

そのため、定期的に植え替えをして、根を適正なボリュームに調整してあげる必要があります。

理由③ 新しい土に交換するため

同じ土を使ってラベンダーを長年栽培していると、「土が痩せて」いきます。

「土が痩せる」というのは様々な意味があります。

  • 最初はフカフカしていた土がペチャンコにしぼんでしまう物理的な要因
  • 土の中に入っている栄養成分が吸いつくされてしまう化学的な要因

肥料や土壌改良剤などを補っていても、植えたてのような土の状態を維持することは難しいものです。

そこで、定期的に植え替えをして土を新しいものに交換することで、環境をリセットしてあげる必要があります

これらがラベンダーに植え替えが必要な理由です。

植え替えが必要な理由が分かったところで、植え替えに必要な知識やテクニックを確認していきましょう。

ラベンダーの植え替えに使う鉢のサイズ選び

pots

ラベンダーの植え替えに使う鉢のサイズは基本的に次の二択です。

  • 現在使っている鉢のサイズより1サイズ大きいものに植え替え
  • 現在使っている鉢のサイズと同じものに植え替え

植物の生育のことを考えると①が理想的ですが、ラベンダーは鉢を大きくすればするほど大きくなる植物です。

あなたが理想とするラベンダーの大きさになるまでは植え替えのタイミングで鉢のサイズを1サイズずつ上げていきましょう

好みの株の大きさになった」と思ったら、同じ大きさの鉢に植え替えましょう

また、大きさではなく、外観で判断するなら

若くて勢いのある株の植え替えは、基本的に鉢のサイズアップ

木質化が進んできて、ある程度落ち着いた株の植え替えは、鉢のサイズは現状維持

というイメージで鉢選びをしていきましょう。

木質化の進行が激しい場合は、植え替えとは別の対処が必要です

こちらの記事も参考にしてみてください

ラベンダーの木質化の対処法

ラベンダーの植え替え手順

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鉢選びが終わったら、実際にラベンダーを植え替えてみましょう。

植え替えでの主な作業は以下の2つです。

  • 根をほぐす
  • 新たな土に入れ替える

順番に見ていきましょう。

根のほぐし方

root-of-rosemarry

さっそく、ラベンダーを鉢から取り出してみましょう。

しばらく植え替えていないラベンダーは、根が鉢の形にぐるぐる巻きになっています

この状態を「根鉢(ねばち)」と呼びます

このままでは、根が鉢の中で窮屈な状態になっており、ラベンダーは新たな根を出すことが出来ません。

根をほぐして、スッキリさせてあげましょう。

とはいえ、根鉢は意外と頑丈で、素手ではなかなか崩すことができません

そこで、私も愛用している植え替えの便利アイテムをご紹介します。

この「忍者クマデ」を使うと、鋭い爪であっという間に根鉢を崩すことができます。

このアイテムを使って、効率よく古い根や土をかき出してあげましょう。

植え替えに使う土

soil

根鉢がほぐれたら、次はいよいよ植え替えです。

植え替えに使う土は次の二つのパターンがおすすめです。

  • 市販のハーブの土を購入する
  • 自分で土を配合する

ラベンダーは過湿に弱いため、水はけの良い土に植え替えるのが基本です。

それぞれのパターンを簡単に解説します。

市販のハーブの土を購入する

市販の土を購入する場合は、水はけの良いものを選びます。

個人的には、プロトリーフの「ハーブの土」がおすすめです。

「ハーブの土」は、あらかじめ様々な種類の土がブレンドされています。

非常に水はけの良い配合になっており、ラベンダーローズマリー、タイムなどの過湿を苦手とするハーブを育てるのに向いている用土です

初心者の方や色々な土を購入してブレンドするのが面倒な方は、この土さえ購入すれば、問題なくラベンダーを栽培することができます。

水はけが良いよく乾くため、無理に水やりを控えたりはせず、日々しっかりと水やりをしていきましょう。

自分で土を配合する

自分で土を配合する場合は、以下の組み合わせがおすすめです。

赤玉土:腐葉土:軽石=6:3:1

軽石というのは、「ひゅうが土」「パーライト」「ゼオライト」などの粒が大きく硬い土を指します。

自分で土を配合するメリットは、植物の種類や育てる環境によって自分で配合の割合を微調整できるところです。

  • さらに水はけをよくしたい場合は「軽石」の割合を増やす
  • 保水性をよくしたい場合は赤玉土や腐葉土の割合を増やす

といった微調整が可能です。

3種類の土を購入する必要がありますが、配合の割合を変えるだけで、ラベンダーを含むほぼ全ての植物をこの土で育てることができる優秀なブレンドです

私もこの配合をベースにしてガーデニング用の土を作っています。

▼土づくりについて分かりやすく説明している記事はコチラです

ガーデニングに適した土作りについて

植え替えで鉢に土を入れるときは、鉢の高さの8割くらいを上限にします。

残り2割の空間はウォータースペースといって、水やりをしたときに一時的に水を溜めておく大切なスペースです

水やりの精度を高めるためにも、植え替えのときは必ずウォータースペースを確保しましょう。

ラベンダーの植え替えの頻度

Lavender-with-new-shoot

成熟したラベンダーは2年に1回程度を目安に植え替えを行いましょう。

より正確な植え替えの頻度は、ラベンダーの生育段階によって異なります。

  • 幼いラベンダーの場合

小さなポット苗、あるいは小さな鉢に植えていて、枝が緑色のラベンダーを指します。

まだ樹が幼く生育スピードが速いため、半年に1回くらいのタイミングで1サイズ大きな鉢に植え替えをする必要があります

このペースであれば、根鉢はほとんど出来ないため、「忍者クマデ」で根をくずさずにそのまま次の鉢に植え替えましょう。

  • 成熟したラベンダーの場合

大きな鉢に植えていて、樹が木質化し始めているような成熟したラベンダーを指します。

大人の樹は、生育がある程度ゆるやかになっているため、植え替えの頻度は2年に1回程度を目安にしましょう

「さらに株を大きくしたい」という目的がなければ、同じサイズの鉢に植え替えます

2年間隔になると、しっかりと「根鉢」ができているはずです。

根をほぐしてから新しい土に入れ替えましょう。

ラベンダーの植え替え時期

branch-of-lavender

ラベンダーの植え替えに最も適した時期は「春」と「秋」です。

気候がマイルドな春と秋は、植え替えた直後から根が活発に動いてくれるため、最も成功率が高い時期といえます

は、植え替えの際に根が高温・乾燥にさらされることになるため、ダメージを受けやすい時期です。

やむを得ず植え替えをする場合は、根にダメージを与えないように注意しましょう

は、植え替え後の根が動き出すまでに時間がかかります。

また、根が凍結してしまうと植え替え失敗となり、ラベンダーの株が枯れてしまう可能性があります。

植え替え後は軒下などの霜が降りない場所で管理をすると安心です

植え替えのタイミングで剪定をする

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植え替えのタイミングで剪定をして樹形を整えておきましょう。

植え替えによって根をほぐし、根のボリュームが減ると、地上部と地下部の水や肥料の収支バランスが崩れます

植え替えで根のボリュームがダウンしたときは、剪定により枝のバランスを整えてあげましょう

剪定の例を3パターンご紹介しますので、あなたが育てているラベンダーの株に合った剪定方法を選んでみてください。

株の大きさをコンパクトにする剪定【切り戻し】

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枝を短くしたい場合に行うオーソドックスな剪定です。

好みの枝の長さでカットしていきます。

枝の数を減らす剪定【間引き】

Woody-French-lavender

枝の数が多くなり過ぎた場合や、重なり合った枝の一方を切り落とすときに行う剪定です。

不要な枝を「枝の付け根の部分」から切り落とすことがポイントです。

枝の数を増やす剪定【切り返し】

woody-rosemarry

枝の数を増やし、ボリュームを出したい場合に行う剪定です。

ボリュームを出したい枝の先端をカットしましょう。

カットした枝の脇から次々と新しい枝が吹いてきます。

植え替えのタイミング以外でも剪定のテクニックは役に立ちます

3つの剪定方法をさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください

ラベンダーの3種類の剪定方法

まとめ

conclusion

いかがでしたか?

本日はラベンダーの植え替えについて解説をしました。

本日のおさらい
  • 植え替えをするときの「鉢のサイズ」について
    • 若い苗を植え替えるときは、鉢のサイズを大きくする
    • 鉢を大きくすると、株も比例して大きくなる
    • 好みの株の大きさになったら、鉢の大きさを維持して植え替える
  • 苗が若いうちは半年に1回、成熟した株は2年に1回を目安に植え替える
  • 植え替えの土には水はけの良い土を使う
  • 植え替えは春と秋が適している
  • 植え替えのタイミングで剪定をして樹形を整える

ラベンダーを鉢で育てていくと、必ず根が詰まり、土が痩せていきます。

定期的に根をほぐし新しい土に植え替えて元気なラベンダーを育ててハーブのある生活を楽しみましょう!

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