そんな疑問にお答えする記事です。
パスタやピザなどのイタリアンには欠かせない存在「バジル」
家庭菜園でバジルを育てているという方も多いのではないでしょうか?
- 立派なバジルを育てるにはいくつかの大切なポイントがあります
- 本日はバジルの葉をたっぷりと収穫できるように、植え付けから収穫までの栽培のポイントを整理してご紹介していきます
また、バジルを育てていくと、やがて花が咲き、種が出来てきます。
実は、バジルの種(バジルシード)はスーパーフードと呼ばれるほど有益な食べ物でもあります
こちらも記事の後半でご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
- バジルはシソ科の一年草
- ⇒栽培は短期集中!
- 和名はメボウキ 目の箒(ほうき)
- バジルの種は好光性種子
- バジルは水、肥料が大好き
- ピンチ(摘心)をして収穫量アップ
- 切り戻しをしていつまでも若々しく
- 花が咲いたら種を採る
- ⇒バジルシードはスーパーフード!
- 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
- 100種類以上のハーブの栽培を経験
- ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上
バジルってどんな植物?
バジルはシソ科の植物で、春に種をまいて、夏の終わりに花が咲き、種が出来て寿命を終える「春まき一年草」というタイプの植物です。
寿命が短い分、生育スピードがとても速い植物です。
和名はメボウキ
現在ではイタリアンのお供として利用されるバジルですが、実は江戸時代にこの植物は伝わってきたと言われています。
バジルの種(バジルシード)は水に浸けておくとコンニャクと同じ「グルコマンナン」というゼリー状の食物繊維が出てきます
現在、これが人気を集めており、同じ物質を含む「チアシード」とともにスーパーフードとして注目されています。
こんにゃくゼリーのような食感で、ドリンクやスイーツにも利用されています。
このあたりはまた後ほど詳しくご紹介します。
このように、「目の箒(ほうき)」の役割をすることから和名の「メボウキ」という名がついたと言われています。
野菜としてだけではなく、種にも秘密のある面白い植物なのです。
バジルの栽培方法
背景が分かったところで、さっそくバジルの育て方を解説していきます。
バジルは寿命が短い植物なので、「いかに短期間に愛情を注げるか」が立派なバジルを育てるポイントになります。
バジルの種まき
バジルは種、苗のどちらからでも栽培できます。
また、鉢植え、地植えのどちらでも栽培可能です。
バジルの発芽適温は20℃前後なので、種まきは4月中~下旬がおすすめです。
小さなポットやセルトレイに種まきをして、植え付け用の苗を育てます
鉢や地面に直接種をまく方法もありますが、別の場所で苗を育てて、後から良い苗を選んで植え付けることで、より立派なバジルを育てることができます。
- セルトレイは種まきから発芽したての苗を育てるために使われる専用のトレイです
- 発芽も均一になるので、よく種まきをされる方は持っておくととても便利です
また、バジルの種は「好光性種子」というタイプの種になります。
発芽に光が必要な種。種まきをした後にかける土は薄く、控えめにしておきます
バジルの植え付け
種まきをして、発芽した苗を本葉が2~4枚くらいになるまで育てたら植え付けをします。
苗を購入した方も同様に気温が上がってくる5月の上旬以降を目安に植え付けましょう。
そこそこの大きさになりますので、鉢植えにする場合は5号鉢(直径15cm)以上の鉢を選びます
土は市販の園芸用培土で問題ありません。
バジルの水やり
バジルを育てるうえで、一番大切なポイントは「たっぷりの水管理」です。
- 5月下旬くらいから気温が上がってくると、凄まじいスピードでバジルが生長してきます
- ここからは水の消費量がグーンと増えるので、水切れを起こさないように、水やりの量も頻度も上げていきます
特に夏場は植物からの蒸散(水の放出)が激しいため、水切れが起きやすくなっています。
水切れを起こすとすぐにしおれてしまうので、「少し多めの水やり」を意識して、特に暑い日は朝夕の1日2回を目安に水やりをしていきましょう
バジルの肥料やり
バジルは生長のスピードが速いため、肥料の効果を切らさないことも重要です。
- 栽培期間中は緩効性肥料を置いておくと、じわじわと肥料の効果が出続けるので、必ず置いておきましょう
- 急激な生長が始まったら、すぐに効果の出る液肥を2週間に1回くらいの頻度で使ってあげると、よりスムーズに生長していきます
バジルの収量アップのテクニック「ピンチ」
「ピンチ」はバジルの収穫量を上げるための必須テクニックです。
生長中のメインの茎を切ることで、たくさんの「わき芽」と呼ばれる芽を出させるテクニック
上の写真でもメインの茎をピンチしています。
図を使って確認していきましょう!
ピンチ前のバジルです。
1本の茎が上に伸びています。
ここで思い切って、ハサミで茎をカットします。
すると…
横から「わき芽」と呼ばれる新しい芽がいくつも出てきます。
「ピンチ」をすることによって、たくさんのわき芽が出てくるので、バジルの収穫量は2倍、4倍と増えていきます。
ピンチした茎は美味しく食して、さらにたくさんの葉を収穫しましょう!
切り戻しをして若返り
バジルは生長を続けていくと、やがて上の写真のような花が着きはじめます。
花が咲き始めると、バジルは葉の展開をストップさせ、良い種を残すことに全力を注ぐようになります
つまり、これ以上葉を収穫することが出来なくなってしまいます。
と疑問がわいてくると思います。
ここで「切り戻し」の出番です。
株がある程度生長してきたら(できれば花を着ける前に)、収穫を兼ねて株の高さを半分から3分の2程度になるまで刈り込みます。
こうすることで、バジルの老化をある程度リセットすることができます。
ピンチと同じ原理で、切り戻しでも芽の数が増えるため、収穫量も増えて一石二鳥です。
「この位置じゃなきゃ絶対ダメ!」という決まりはなく、どの高さで切っても枯れることはありませんので、安心してこまめに切り戻しをしてください。
バジルの病害虫対策
バジルは病気や害虫に弱い植物ではありませんが、大切なバジルを守るため、対策はしっかりとしておきたいものです。
そう思われている方がほとんどではないでしょうか?
我が家でも野菜をいくつも育てていますが、農薬は使わないようにしています。
農薬ほど鋭い効果を発揮するわけではありませんが、我が家では「ニームオイル」と市販の「オーガニック栽培用の殺虫・殺菌剤」を使用しています。
ニームという植物の種から採取した油で、虫を寄せ付けにくくする効果(忌避効果)があります
食品由来の成分で出来ている殺虫・殺菌効果の期待されるスプレー
おうちのガーデニングではあまり農薬を使いたくないものですよね。
こういったアイテムを揃えておくことで、色々な植物を健全に育てることができるので、非常におすすめです!
スーパーフード「バジルシード」を食べてみよう
夏も終わりに近づいてくると、いよいよ切り戻しをしても老化が止まらず、花が咲き続けるようになってきます。
しかし、バジルはここで終わりではありません!
花が咲いた後の種までバッチリ利用することができます
冒頭でお話ししたように、バジルの種(バジルシード)は今やスーパーフードと呼ばれる優れた食材です。
- 種を水に浸けて出てくる「グルコマンナン」は食物繊維なので、体内で消化されにくく、便通を良くする働きがあると言われています。
- また、「グルコマンナン」がおなかの中で膨れるので、少ない量で満腹感が得られ、ダイエットに向いた食材としても注目されています。
花が終わった後のバジルの種を採取して乾燥させておけば、来年用のバジルの種としても使えますし、
スーパーフードとして食べることもできるというわけです。
バジルシードは水に浸けるとこんにゃくゼリーのような食感になるので、ジュースやシロップ、ヨーグルトなどに混ぜて食べることで、美味しく食物繊維を摂取することができます
花が咲いた後は、ぜひバジルシードまでエンジョイしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?
本日は、バジルの栽培方法からバジルシードの利用方法まで幅広くご紹介しました。
- バジルはシソ科の一年草
- 栽培は短期集中!
- 和名はメボウキで江戸時代から利用されていた
- バジルの種は好光性種子
- バジルは水、肥料が大好き
- ピンチ(摘心)をして収穫量アップ
- 切り戻しをしていつまでも若々しく
- 花が咲いたら種を採る
- バジルシードはスーパーフード!
- 来年用の種としても利用可能
バジルを育てること、それはすなわち…
- 野菜として葉を使う
- 花を存分に鑑賞する
- バジルシードを食す
ぜひ皆さんもバジルの魅力を隅から隅まで堪能してみてください!
それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。