ガーデニング初心者さんへ

挿し木をビニール袋で覆うと発根率アップ!【密閉挿しを解説】

  • 挿し木をビニールで覆うと良いと聞いたけど、なぜ?
  • 挿し木の成功率を上げたいけど、良い方法はない?

そんな疑問を解決する記事です。

これまで私は、仕事で何百万本という数の挿し木を扱ってきました。

その経験から、挿し木成功のポイントは以下の5点だと考えています。

挿し木の成功率を上げる5つのポイント
  1. 高い湿度をキープする
  2. 地温を上げる
  3. 発根促進剤を使う
  4. 挿し穂を調整する
  5. 清潔な用土を使う

本日は5つのポイントの中でも最も重要な「湿度が高い状態をキープ」する手段として、ビニール袋を使った「密閉挿し」について解説していきます。

本日の要点
  • 挿し木成功のカギは「湿度」にあり
  • 湿度を高めるためにビニール袋を活用
  • 温度が上がり過ぎないように注意
  • 霧吹きも使って湿度をキープ

記事の信頼性(筆者について)
  • 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
  • 業務では年間に百万本以上の挿し木を扱っていた
  • ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上

仕事と趣味の両面から植物を触っている経験を活かして、植物の正しい知識を発信します。

挿し木を成功させるコツは?」と聞かれたら、私は「湿度のキープ」と答えます。

今回ご紹介する挿し木の鉢をビニール袋で覆う」テクニックを使えば、高い湿度をキープすることができるため発根率がグーンとアップします

ぜひ最後までお読みいただき、実践してみてください。

なぜ挿し木をビニール袋で覆うの?

当然ですが、植物体から切り離したばかりの茎や枝には根がありません

つまり、自分自身では水をほとんど吸い上げられない状態になっています

そんな状態でも、植物は体から水蒸気を放出しています。

これを「蒸散(じょうさん)」と呼びます。

植物は、空気が乾いていると活発に蒸散を行います

  • 根がなくて上手く水が吸えないのに、蒸散の量が増えるとどうなるでしょうか?

水を体の外に排出しすぎて、植物はしおれてしまいます。

こうなると挿し木は失敗です。

挿し穂がしおれないようにするには、植物の蒸散を防ぐ工夫が必要です。

ここで活躍するのが「ビニール袋」です。

ビニール袋をかぶせることで外の空気を遮断し、挿し穂の周りの湿度を高く維持することができというわけです。

密閉挿し=挿し木の容器にビニール袋をかぶせるだけ

業務で挿し木をする場合、部屋の湿度は高い状態に維持されています。

ミスト装置などで定期的に挿し穂にミストを噴霧することで蒸散を抑えられる仕組みになっています

密閉挿し」は、この状態をビニール袋1枚で簡易的に再現しています。

やり方は、挿し木をした鉢(容器)に袋をかけるだけです。

これで袋の内側は外の乾いた空気から遮断されます。

袋の中の湿度が常に高い状態になって、挿し穂の蒸散量が抑えられるという仕組みです

ビニール袋をかけるときの注意点

ビニール袋を使った密閉挿しで最も注意することは、袋の中の温度が上がり過ぎないようにすることです。

密閉状態の容器を日の当たる場所に置いておくとあっという間に袋の中が高温になり、植物が蒸れてしまいます。

▼次のような対策がおすすめです。

  • 直射日光の当たらない場所に置く

これはビニール袋の有無に関わらず、挿し木をするときの基本ルールですので、覚えておくと良いと思います。

挿し木をした容器はマイルドな環境で管理すると発根率が上がりやすくなります。

  • 袋に切れ込みを入れ

袋の中の温度が上がる傾向がみられたら、袋に少し切れ込みを入れて空気の入れ替えができるようにしておくとムレを防止できます。

あまり大きな穴を開けてしまうと密閉挿しの効果が出ませんので、ご注意ください。

ビニール袋をかけた後の管理

挿し木の容器にビニール袋をかけたら、発根までは定期的に霧吹きで水やりをするのがおすすめです。

ビニール袋で覆ったおかげで、挿し穂や土が乾くスピードはそこまで速くありません

一日に2~3回、ビニール袋をめくって、霧吹きで挿し穂と土に水をかけてあげましょう

袋の中が常に湿っていて、挿し穂の葉に水が乗っている状態が理想的です。

発根したらビニール袋を外す

発根してきたらビニール袋を外し、根を崩さないように別の鉢に植え替えます。

  • ビニール袋を外した直後外の環境に順応できず、植物がしおれてしまうことがあります
  • ビニール袋を外した後もしばらくは霧吹きで葉に水をかけてあげるとスムーズに外の環境に慣らすことができます

まとめ

いかがでしたか?

本日は挿し木にビニール袋をかぶせて湿度を上げる「密閉挿し」をご紹介しました。

本日の要点
  • 挿し木成功のカギは「湿度」にあり
  • 湿度を高めるためにビニール袋を活用
  • 温度が上がり過ぎないように注意
    • 直射日光を避ける
    • 袋に切れ込みを入れる
  • こまめに霧吹きで湿度をキープ

挿し木の成功は「いかに挿し穂のスタミナを消耗させないか」にかかっています。

大切な水分を外に逃がさないようにすれば、必ず発根率は上がります

ビニール袋1枚で誰でも簡単にできますので、ぜひ挿し木をする際には実践してみてください。

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それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。