ハーブ

ローズマリーが育ちすぎてしまったときの対処法について

  • ローズマリーが育ちすぎてどんどん伸びていくけど、どうすればいいの?
  • 昔のように小さな若々しい株に戻したいんだけど、できる?

そんな疑問にお答えする記事です。

ローズマリーは樹木に分類されるハーブです。

ガーデンの環境さえ合えば、縦・横ともに1mを超える大株になることも珍しくありません。

旺盛に生長するのは嬉しいことですが、時に収拾がつかないほどに育ちすぎるのがローズマリーを栽培するうえでの悩みのポイントになります

この記事では、育ちすぎたローズマリーの対処法を段階別に2パターンご紹介します。

どちらもローズマリーを栽培するうえで覚えておくと便利なテクニックですので、ぜひ最後までお読みいただき実践してみてください。

記事の要点
  • 第一候補は「剪定」だが、限界がある
  • 剪定」で切り戻せるのは株の3分の1~半分程度
  • 必ず新芽がついている位置よりも上で枝を切る
  • きれいにリフレッシュさせたい場合は挿し木が有効
  • 挿し穂は枝の先端5~10cmを利用
  • 挿し木の適期は梅雨の時期

記事の信頼性(筆者について)
  • 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
  • 100種類以上のハーブの栽培を経験
  • ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上

仕事趣味で植物を触っている経験を活かして植物の正しい知識を発信します。

ローズマリーが育ちすぎてしまったら?

rosemary-big-tree

育ちすぎたローズマリーの対処法は

  • 剪定(切り戻し)
  • 挿し木

2パターンが候補に挙がります。

2つのテクニックはローズマリーの生長段階によって使い分けます。

一般的に伸びすぎたローズマリーの対処法には剪定が紹介されていますが、現実は剪定だけで育ちすぎたローズマリーの株の対処ができない場合もあります。

剪定(切り戻し)で短くできる枝の長さは、株全体の3分の1程度です。

これ以上刈り込みをすると、株全体が枯れる可能性が高くなります。

少しリスクを冒して、バッサリ枝を切ったとしてもせいぜい伸びた枝の半分程度です。

「半分程度の剪定では全然満足できない、もっと短くしたい!」という方は、剪定では対処が難しくなりますので、挿し木による株のリセットをおすすめします

つまり、挿し木で発根させた新しい株と現在の大株を入れ替える方法です。

こうすることで、株が完全にリフレッシュされ若々しい株を一から育てなおすことができます。

これが、育ちすぎてしまってローズマリーの対処法2パターンです。

ローズマリーの剪定(切り戻し)方法

pruned-rosemary-branch

ローズマリーは低木に分類されるハーブです。

ローズマリーの生長は

緑の枝が出る⇒木質化する⇒木質化した枝の先端から緑の枝が出る⇒木質化する

このように、木質化した枝の先端に新しい枝を伸ばして生長していきます。

そのため、何もせずに放っておくと、かなりの長さの枝に生長します。

高さ1m×幅1mという株も珍しくはありません。

そこで、剪定(切り戻し)をして、枝の長さを短くしていきます

イメージはこんな感じです。

the-branch-which-lengthened

何もせずに栽培していくと、どんどん枝が伸びていきます

この枝に剪定(切り戻し)をしていきます。

このように枝の位置を低くまで下げます

高さを決めて、同じように株全体の枝を剪定していきましょう。

しばらく栽培していくと、また新しい枝が吹いてくるため、定期的に剪定をする必要があります。

枝の数が多い場合は、少し枝を間引きます。

となりの枝と重なり合っている場合は、どちらか一方の枝を残し、もう一方の枝は根元から切り落としましょう。

剪定は枝の長さの3分の1まで

伸びすぎたローズマリーの枝は、出来るだけ剪定で短くしたいところです。

ところが、剪定によって枝を深く切れば切るほど、次の新芽が吹かずそのまま枯れてしまう可能性が高まります。

  • 剪定で切り落とすのは、枝の長さの3分の1程度までが無難です。
  • どうしても短くしたい場合は、半分程度まで切り戻しましょう。

安全圏の目印は、枝についている「新芽」です。

上の写真のように、枝のわきに緑の新芽がついていれば、剪定した直後に新芽が新たな枝となって伸びてきます。

「新芽」は枝先3分の1くらいまでは多く、株元に近づくほど少なくなっていきます

「新芽」がない部分を剪定で切り落としてしまうと、次の芽が吹いてこず、そのまま枯れてしまう可能性があります

剪定する高さには十分注意しましょう。

挿し木で株をリフレッシュさせる

先述の通り、ローズマリーの株元に近い場所には「新芽」がほとんどありません。

そのため、育ちすぎたローズマリーの枝は株元で剪定できないことをご理解いただけたかと思います。

剪定をしても、枝の長さが満足いくほど短くならなかった場合は、「挿し木」の出番です。

挿し木で新たな若い株を作り、古い株と新しい株を交換しましょう。

挿し木で新しい苗を保険として作っておき、最後に育ち過ぎた株の強剪定(株元に近い位置で剪定をすること)にチャレンジしてみても良いと思います

挿し穂の調整

挿し木に使う「挿し穂」作りましょう。

先端の緑の枝から5~10cmくらいの場所で枝をカットします。

上の写真のように、土に挿す部分の葉を取り除きます。

これで挿し穂は完成です。

挿し木に使う用土

挿し木に使う用土は赤玉土バーミキュライトひゅうが土など、肥料成分が入っていない無機質な土がおすすめです。

市販の園芸用土などは肥料成分が入っていることが多く、腐敗の原因になるため、使わないようにしましょう。

挿し木の時期

ローズマリーの挿し木に適した時期は5~10月です。

特に湿度の高い梅雨時期は発根率が高くなる傾向があるのでおすすめです。

挿し木をよく失敗する、成功率を上げたい人は

挿し木には成功率をアップさせるポイントがいくつかあります。

▼ローズマリーの挿し木の方法を詳しくまとめた記事も用意しています

ローズマリーの挿し木の方法

挿し木のポイントをおさえて、ローズマリーの新しい株を手に入れましょう。

まとめ

いかがでしたか?

本日はローズマリーが育ちすぎてしまったときの対処法を解説しました。

本日のまとめ
  • 第一候補は「剪定」だが、限界がある
  • 「剪定」で切り戻せるのは株の3分の1~半分程度
  • 必ず新芽がついている位置よりも上で枝を切る
  • きれいにリフレッシュさせたい場合は挿し木が有効
  • 挿し穂は枝の先端5~10cmを利用
  • 挿し木は湿度の高い梅雨時期がおすすめ

丁度よいサイズのローズマリーを育てるには日ごろからこまめに「剪定(切り戻し)」をして草丈が伸びすぎないように調整することが大切です。

それでも株元の木質化が徐々に進んで剪定をしても新芽が吹きづらくなる時がやってきます

その時はいよいよ「挿し木」をして新しい株と交換をする時期かもしれません。

挿し木でバックアップの苗を用意して、思い切って「強剪定」にチャレンジしてみて、良い結果が得られない場合は新たな株に植え替えをするのが最善の策になるかと思います

2つの対処法を身に付けて、上手にローズマリーと付き合っていきましょう。

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この記事が皆さんのローズマリー栽培のお役に立てれば嬉しいです。

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それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。