ローズマリーが育ちすぎたら?強剪定の時期と小さく保つ方法をプロが解説
- ローズマリーが育ちすぎてどんどん伸びていくけど、どうすればいいの?
- 昔のように小さな若々しい株に戻したいんだけど、できる?
そんな疑問にお答えする記事です。
ローズマリーは樹木に分類されるハーブです。
ガーデンの環境さえ合えば、高さ1mを超え、横幅も80cm程度まで広がる大株になることも珍しくありません。
旺盛に生長するのは嬉しいことですが、時に収拾がつかないほどに育ちすぎるのがローズマリーを栽培するうえでの悩みのポイントになります
この記事では、育ちすぎたローズマリーの対処法を段階別に2パターンご紹介します。
どちらもローズマリーを栽培するうえで覚えておくと便利なテクニックですので、ぜひ最後までお読みいただき実践してみてください。
- 第一候補は「剪定」だが、限界がある
- 「剪定」で切り戻せるのは株の3分の1~半分程度
- 必ず新芽がついている位置よりも上で枝を切る
- きれいにリフレッシュさせたい場合は挿し木が有効
- 挿し穂は枝の先端5~10cmを利用
- 挿し木の適期は梅雨の時期
- 地植えは5年程度で高さ1m超、横幅80cm程度まで育つ
- 春と秋の年2回剪定すれば、コンパクトな株を保てる
- 枝を根元から間引く「枝透かし」で、蒸れを防ぎながら株を若返らせる
- 強剪定は冬を避け、春に新芽の位置を見てから切る
- 株の更新は、コンパクトに保つなら5年、木質化してもよければ10年に1回程度
- 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
- 100種類以上のハーブの栽培を経験
- ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上
仕事と趣味の両面から植物を扱っている経験を活かして詳しく解説していきます!
ローズマリーが育ちすぎてしまったら?

育ちすぎたローズマリーの対処法は
- 「剪定(切り戻し)」
- 「挿し木」
の2パターンが候補に挙がります。
2つのテクニックはローズマリーの生長段階によって使い分けます。
一般的に伸びすぎたローズマリーの対処法には剪定が紹介されていますが、現実は剪定だけで育ちすぎたローズマリーの株の対処ができない場合もあります。
剪定(切り戻し)で短くできる枝の長さは、株全体の3分の1程度です。
これ以上刈り込みをすると、株全体が枯れる可能性が高くなります。
少しリスクを冒して、バッサリ枝を切ったとしてもせいぜい伸びた枝の半分程度です。
「半分程度の剪定では全然満足できない、もっと短くしたい!」という方は、剪定では対処が難しくなりますので、挿し木による株のリセットをおすすめします
つまり、挿し木で発根させた新しい株と現在の大株を入れ替える方法です。
こうすることで、株が完全にリフレッシュされ若々しい株を一から育てなおすことができます。
これが、育ちすぎてしまってローズマリーの対処法2パターンです。
ローズマリーはどこまで大きくなる?
地植えのローズマリーは、高さ1mを超える程度まで大きくなり、横幅も80cm程度まで枝を広げます。その大きさに到達するまでは、5年程度です。
鉢植えの場合は、鉢のサイズに比例して大きくなります。
| 育て方 | 大きさの目安 |
|---|---|
| 地植え | 高さ1m超・横幅80cm程度(5年程度) |
| 8号鉢 | 60〜80cm程度 |
| 10号鉢 | 80cm〜1m程度 |
小さな苗を植えたつもりでも、5年ほどで1mを超えることがあります。
植える場所は、大きくなったときの姿を想像して選びましょう!
ローズマリーの剪定(切り戻し)方法

ローズマリーは低木に分類されるハーブです。
ローズマリーの生長は
緑の枝が出る⇒木質化する⇒木質化した枝の先端から緑の枝が出る⇒木質化する
このように、木質化した枝の先端に新しい枝を伸ばして生長していきます。
そのため、何もせずに放っておくと、かなりの長さの枝に生長します。
地植えでは、高さ1m超×横幅80cm程度の株も珍しくはありません。
そこで、剪定(切り戻し)をして、枝の長さを短くしていきます。
イメージはこんな感じです。

何もせずに栽培していくと、どんどん枝が伸びていきます。
この枝に剪定(切り戻し)をしていきます。

このように枝の位置を低くまで下げます。
高さを決めて、同じように株全体の枝を剪定していきましょう。

しばらく栽培していくと、また新しい枝が吹いてくるため、定期的に剪定をする必要があります。
枝の数が多い場合は、少し枝を間引きます。
となりの枝と重なり合っている場合は、どちらか一方の枝を残し、もう一方の枝は根元から切り落としましょう。
剪定は枝の長さの3分の1まで

伸びすぎたローズマリーの枝は、出来るだけ剪定で短くしたいところです。
ところが、剪定によって枝を深く切れば切るほど、次の新芽が吹かずそのまま枯れてしまう可能性が高まります。
- 剪定で切り落とすのは、枝の長さの3分の1程度までが無難です。
- どうしても短くしたい場合は、半分程度まで切り戻しましょう。
安全圏の目印は、枝についている「新芽」です。
上の写真のように、枝のわきに緑の新芽がついていれば、剪定した直後に新芽が新たな枝となって伸びてきます。
「新芽」は枝先3分の1くらいまでは多く、株元に近づくほど少なくなっていきます
「新芽」がない部分を剪定で切り落としてしまうと、次の芽が吹いてこず、そのまま枯れてしまう可能性があります
剪定する高さには十分注意しましょう。
剪定の時期はいつ?
ローズマリーの剪定は、新芽が吹く春(4〜5月)と秋(9〜10月)が適しています。この時期に切ると、剪定後に新しい枝がスムーズに伸びてきます。
| 時期 | 剪定 | ポイント |
|---|---|---|
| 春(4〜5月) | ◎ | 新芽が吹く時期。切ったあとスムーズに新しい枝が伸びる |
| 夏 | △ | 暑い時期は新芽の動きが鈍くなる |
| 秋(9〜10月) | ○ | 新芽が吹く時期。遅くならないように行う |
| 冬(厳冬期) | × | 露出した柔らかい葉が寒さで傷み、最悪の場合は株全体が枯れる |
強剪定はいつ、どこまで切れる?
株元に近い位置まで切り戻す強剪定は、冬を避け、春に新芽の位置を見てから切りましょう。冬は新芽がどこから出るのか分からないため、切りすぎてしまう危険があります。
切る量は、前述のとおり枝の長さの3分の1程度が無難で、短くしたい場合でも半分程度までにとどめます。
新芽が見つからない古い部分は切らないのが鉄則です。半分切っても満足できないときは、次の「挿し木」に進みましょう!
▼木質化した枝の切り方や、枯れた枝の見分け方は、こちらの記事でくわしく解説しています。
ローズマリーを小さく保つには
ローズマリーをコンパクトに保つには、春と秋の年2回、剪定を行います。これだけで、大きくなりすぎずに、コンパクトな株を保つことができます。
鉢植えは鉢のサイズに比例して大きくなるので、大きくしたくない場合は、鉢のサイズを上げすぎないのもひとつの方法です。
大きくなってから慌てて切るより、毎年2回、少しずつ切るほうが株への負担も少なくすみます。
切った枝は、料理や挿し木に活用しましょう!
横に広がるのはなぜ?株の幅を抑えるには
ローズマリーが横に広がってきたと感じる場合、這うタイプでなくても、年数の経過で株の横幅が増していることが考えられます。
株の幅を広げたくない場合は、横に伸びた枝を根元から剪定します。横に張り出す枝がなくなるので、株張りを抑えることができます。
「枝透かし」で株を若返らせる
縦に伸びてきた枝を、数本単位で根元から取り除くのが「枝透かし」です。残した枝を旺盛に育てながら、株を若返らせることができます。
すべての枝を同じ長さに短くするのではなく、育てる枝の数を制限し、残した枝を好きな長さに切り戻すのがおすすめです。
- 株の中の蒸れのリスクを避けられる
- 枝の数が減ることで、隅々まで栄養が行き渡る
- 強剪定をしたあとの芽吹きも良くなる傾向がある
枝の本数と長さの両方でボリュームを調整すると、同じ株を長く楽しめます!
枝が地面に触れて増えることはある?
枝が地面に触れて根を出すことは、あまりありません。むしろ、枝が地面に触れた状態は、蒸れや病害で株がダメージを受ける原因になります。垂れ下がった枝は切り取りましょう。
新しい株を増やしたい場合は、きちんと挿し木を行うのが確実です。
挿し木で株をリフレッシュさせる

先述の通り、ローズマリーの株元に近い場所には「新芽」がほとんどありません。
そのため、育ちすぎたローズマリーの枝は株元で剪定できないことをご理解いただけたかと思います。
剪定をしても、枝の長さが満足いくほど短くならなかった場合は、「挿し木」の出番です。
挿し木で新たな若い株を作り、古い株と新しい株を交換しましょう。
挿し木で新しい苗を保険として作っておき、最後に育ち過ぎた株の強剪定(株元に近い位置で剪定をすること)にチャレンジしてみても良いと思います
保険の苗があり、多少の無理を承知で株を大きく切り戻したい場合は、半分以上切り戻すのも選択肢のひとつです。ただし、深く剪定するほど、枯れるリスクは高まります。あくまでご自身の判断で行ってください。
ローズマリーの寿命と、株を更新する目安
ローズマリーは多年性の植物で、明確な寿命がなく、半永久的に維持できます。木質化してからも新芽を展開する力が強いので、大株のままでよければ、10年以上同じ株でも問題なく栽培できます。
そのため、ラベンダーやタイムに比べて、挿し木による更新は遅くても大丈夫です。
| 育てたい株 | 更新の目安 |
|---|---|
| 比較的コンパクトでフレッシュな株 | 5年に1回程度 |
| 木質化しても問題ない株 | 10年に1回程度 |
「古くなったから植え替えなきゃ」と焦らなくても大丈夫です。
大きさや見た目に満足できなくなったタイミングで、挿し木の株に交換しましょう!
挿し穂の調整

挿し木に使う「挿し穂」作りましょう。
先端の緑の枝から5~10cmくらいの場所で枝をカットします。
上の写真のように、土に挿す部分の葉を取り除きます。
これで挿し穂は完成です。
挿し木に使う用土

挿し木に使う用土は赤玉土やバーミキュライト、ひゅうが土など、肥料成分が入っていない無機質な土がおすすめです。
市販の園芸用土などは肥料成分が入っていることが多く、腐敗の原因になるため、使わないようにしましょう。
挿し木の時期

ローズマリーの挿し木に適した時期は5~10月です。
特に湿度の高い梅雨時期は発根率が高くなる傾向があるのでおすすめです。
挿し木をよく失敗する、成功率を上げたい人は

挿し木には成功率をアップさせるポイントがいくつかあります。
▼ローズマリーの挿し木の方法を詳しくまとめた記事も用意しています
挿し木のポイントをおさえて、ローズマリーの新しい株を手に入れましょう。
まとめ

いかがでしたか?
本日はローズマリーが育ちすぎてしまったときの対処法を解説しました。
- 第一候補は「剪定」だが、限界がある
- 「剪定」で切り戻せるのは株の3分の1~半分程度
- 必ず新芽がついている位置よりも上で枝を切る
- きれいにリフレッシュさせたい場合は挿し木が有効
- 挿し穂は枝の先端5~10cmを利用
- 挿し木は湿度の高い梅雨時期がおすすめ
- 地植えは5年程度で高さ1m超、横幅80cm程度まで育つ
- 春と秋の年2回剪定すれば、コンパクトな株を保てる
- 枝を根元から間引く「枝透かし」で、蒸れを防ぎながら株を若返らせる
- 強剪定は冬を避け、春に新芽の位置を見てから切る
- 株の更新は、コンパクトに保つなら5年、木質化してもよければ10年に1回程度
丁度よいサイズのローズマリーを育てるには日ごろからこまめに「剪定(切り戻し)」をして草丈が伸びすぎないように調整することが大切です。
それでも株元の木質化が徐々に進んで剪定をしても新芽が吹きづらくなる時がやってきます。
その時はいよいよ「挿し木」をして新しい株と交換をする時期かもしれません。
挿し木でバックアップの苗を用意して、思い切って「強剪定」にチャレンジしてみて、良い結果が得られない場合は新たな株に植え替えをするのが最善の策になるかと思います
2つの対処法を身に付けて、上手にローズマリーと付き合っていきましょう。
▼ローズマリーの育て方を幅広くまとめた記事も必ずチェックしてみてください
この記事が皆さんのローズマリー栽培のお役に立てれば嬉しいです。
▼ローズマリー以外のおすすめのハーブをご紹介!
この記事では育てやすく、味や香りも楽しめるハーブを厳選してご紹介しています
お庭に新しいハーブを迎えてみませんか?
それでは、また次の記事でお会いしましょう。






