ガーデニング初心者さんへ

株分けの方法 植物を簡単に増やせる2タイプのやり方を解説

  • 大好きな植物を増やしたいけどどんな方法があるの?
  • 「株分け」ってよく聞くけど、やり方が分からない

こんな疑問にお答えする記事です。

植物には様々な増やし方があります。

種子繁殖(タネで増やすこと)」、「挿し木」、そして「株分け」など…

どれも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

本日は植物を増やすテクニックの1つである「株分け」について解説します。

記事の信頼性(筆者について)
  • 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
  • 100種類以上のハーブの栽培を経験
  • ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上

こぶた

株分けは、新しい個体を増やしたいときはもちろんですが

増えすぎて大きくなった株をコンパクトにするときにも使えるテクニックなので、知っておくと非常に便利です。

本日の記事を読んで、是非マスターしていただけると嬉しいです。

本日の要点
  • 株分けは「発根している個体」を分割するテクニック
  • 株分けは主に2つのタイプがある
    • ランナーなどで離れた場所に根を出している個体を切り離す
    • 本体を直接割って分割する
  • 株分けした個体は弱っているため、水やりと施肥には注意

順番に解説していきます。

株分けとは根がついた植物を増やす方法

みなさんは「植物を増やしたい」と思ったとき、どのような方で増やしますか?

最もポピュラーな植物の増やし方といえば、種(種子)による繁殖」、「挿し木」、「株分けなどが挙げられ、それぞれ特徴が異なります。

種による繁殖はたくさん個体を増やすことができますが、播いた種一つ一つから異なる遺伝子情報を持つ子どもが生まれてきます。

ぽん

つまり、種で植物を増やすと親とは違う特徴を持った子どもが生まれてきます

花であれば、親とは違う色や形の花が咲きます

花や野菜の新しい品種はこの特性を応用して作っているわけです

今持っている植物と同じ個体(クローン)を増やしたい場合、挿し木株分けなどのテクニックを使って増やすのが一般的です。

挿し木は、植物体の茎をカット用土に挿すことで発根させ、新たな個体を得るテクニックです

つまり、「まだ発根していない個体」を発根させて、増殖させる方法です

▼挿し木について詳しく解説した記事も用意しています

挿し木を成功させる5つのポイント

これに対して株分けは、「既に発根している植物」を分割することで、個体を増やすテクニックです。

株分けの方法は主に2タイプ

株分けの方法は大きく分けて2タイプあります。

株分けの方法2パターン
  • ランナー(地下茎)などで親株から離れた位置に個体が増えているパターン
  • 1つの株を分割するパターン

それぞれの方法を解説していきます。

親株から離れた位置に個体が増えている場合

こちらのタイプは比較的簡単に株分けできるパターンです。

元々は1株でしたが、写真のように離れた場所から芽が出てくるタイプの植物に使う株分けです

株を鉢から取り出していきます。

このようにランナー(地下を走る茎)が鉢中に張り巡らされています

そっと土を落としていくと

本体からランナー分かりやすく出ているのが分かります。

そっと親株から外していくと

ほとんど抵抗なく外すことができました。

全て根がついていますので、あとは鉢に植えていけばOKです。

これで株分け完了です!

同じ株の中に芽(茎)が複数ついている場合

こちらのタイプは少しテクニックが必要な株分けになります。

まずは上の写真をご覧ください。

このように、一つの株からいくつかの芽や茎が出ている場合があります。

鉢から株を取り出してみます。

先ほどのようにランナーは出ていません

さらに土を取っていきます。

このように、どちらの芽も一つの株にくっついている状態です。

ここから、出来るだけ株を傷つけないように自然に芽と根が分かれてくれる場所を探します

今回はここが良さそうです。

少しだけ力を入れて無理なく左右に芽と根をほぐしていきます。

無理やり引っ張ってしまうと、根がちぎれてしまったり株が必要以上に裂けてしまうので、慎重に作業しましょう

引っ張るというよりは、トントン叩いたり、ゆすったりしながら、解きほぐしていく感覚です。

無事に2つに分けることができました。

どちらもしっかり根がついていますので、鉢に植えていきます。

これで株分け完了です!

強制的に分割したので、わずかですが傷口ができています

傷口が大きい場合は、希釈した殺菌剤に浸けてから植え付けることで、病気や雑菌繁殖のリスクをおさえることができます

また、今回は比較的小さな株だったので、手で分けることができましたが、

もっと大きく、手では分割できない複雑な形状の株の場合は、包丁ナイフでカットしたり、剣スコップで強制的に真っ二つに分割することもあります。

出来るだけ植物体に負担のかからない方法で株を割ってあげましょう

株分けした個体は弱っているため、水やりと施肥には注意

特に2番目の方法で株分けした個体については、植物体に傷があるため、生育の勢いが落ちています

根のはたらきが衰えていますので、水をやり過ぎてしまうと、いつも以上に根腐れを起こしたり、傷口から病気が侵入するリスクが上がってしまいます

過剰なストレスを与えないように、慎重に水やりをしましょう。

また、日当たりが強すぎないマイルドな環境で管理をしましょう。

肥料については、根がしっかりと機能するようになってから与えたほうが無難です。

一週間程度は様子をみてはじめは少量・低濃度から、徐々に通常の量に戻していきましょう

まとめ

いかがでしたか?

本日は基本的な株分けの方法について解説しました。

本日のまとめ
  • 株分けは「発根している個体」を分割するテクニック
  • 株分けは主に2つのタイプがある
    • ランナーなどで離れた場所に根を出している個体を切り離す
    • 本体を直接割って分割する
  • 株分けした個体は弱っているため、水やりと施肥には注意

株分けはある程度慣れが必要なテクニックですが、習得すればお気に入りの植物をどんどん増やすことができます。

株分け」と「挿し木」を使い分けることで、多くの植物を増殖させることが可能です。

皆さんもぜひチャレンジしてみてください!

▼この記事の他にもガーデニングに役立つ様々な知識を記事にしています

ご興味のある方は、「ガーデニングの教科書」の記事たちをチェックしてみてください!

それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。