- スイカを作ってみたいけど、スペースがない
- 大玉スイカを空中に実らせたいけど、どうやるの?
そんな疑問にお答えする記事です。
スイカは通常の方法で作ると、とても広い面積が必要です。
ですが…
今回ご紹介する空中栽培を実践すれば、わずかなスペースで大玉スイカを作ることができます!家の庭でも栽培することが可能です!
地植えのスペースがなくても大丈夫です。
今回はプランターを使ったスイカの栽培方法をご紹介しています。
初めてスイカを作る方でも記事の通りに作っていただければ、栽培することができますのでご安心ください。
この記事は実際に我が家の庭で空中栽培した経験をもとに、作成しています。
材料の準備から仕立て方まで、お読みいただいた方が再現できるように分かりやすく解説していきます。
- 大きな鉢(60ℓ)を使う
- アーチを使って上方向に仕立てる
- つるを頂上まで誘引する
- 途中に咲く雄花・雌花は全て除去
- 頂上に雌花が咲いたら人口授粉
- 自分ではスイカを支えられないため、ネットを設置
- 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
- 100種類以上のハーブの栽培を経験
- ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上
大玉スイカの空中栽培とは?
通常、スイカを作るには1坪(約3.3㎡)くらいの面積が必要といわれています。
実際、自宅の庭でそれだけの面積を確保するのは、難しい方が多いのではないかと思います。
実際、我が家もスイカのためにそれだけの面積を割くことはできません。
そこでご紹介したいのが空中栽培です。
空中栽培は、栽培面積を横ではなく縦方向に広げることで、少ないスペースで栽培できる方法です。
しかし、大玉スイカの空中栽培に関する詳細な方法の解説はほとんどありません。
と思い立ち、今回の記事を書くに至っています。
空中栽培の課題
大玉スイカを自宅の庭で栽培するときの課題にはどんなものがあるのでしょうか?
- 地植えが出来ない⇒かなりの大きさの鉢を使って栽培しなければならない
- スペースが制限される⇒大玉スイカを作るだけの栽培面積をどのように確保するか?
- どのように着果(実をならせる)させるか?⇒小玉に比べてかなり重いスイカを宙づりにできるか?
このあたりが主な課題となってきそうです。
以上の3つの課題を解決するための方法をご紹介します。
プランターを使ってスイカを育てる
先ほどの課題を解決するために、まずは容積60ℓの鉢を用意しました。
一般に園芸で使われる鉢サイズは5~7号鉢で、
土の入る量(容積)はだいたい1.5~3ℓくらいです。
つまり、通常の鉢のおよそ20倍以上の巨大な鉢です!
小さな鉢で栽培すると根の活動できる範囲が狭まり、充実したスイカが出来なくなります。
できるだけ、根の活動を妨げないようにと考えた結果、今回は60ℓの鉢を採用することにしました。
ここに市販の野菜栽培用の土を入れてスイカの苗を植え付けました。
アーチを使って空中栽培
庭で栽培するときの最も大きな課題は「ツルをどのように伸ばすか?」です。
横に張らせるとかなりの面積を占有されるため、縦方向に伸ばす資材を考えます
今回は、つるバラなどを誘引するためのガーデニングアーチを採用しました。
高さ約2m、幅約60cmのガーデニングアーチを60ℓの鉢のふもとに設置しました。
大玉スイカを空中に実らせるには?
小玉スイカの重さは平均で1~2kg程度です。
この程度であれば、大きめの支柱をあんどん仕立て(アサガオの誘引をする、丸い輪を使った仕立て方)にして、ツルを誘引し、実ができたところをネットで受けてあげれば良いのですが…
大玉スイカの重さは5~10kgと、かなり重いため、柔らかい材質の支柱では支えることは難しいと考えられます
そこでバラ用のアーチです。
バラ用アーチは鉄製のため、大玉スイカを吊り下げたときの荷重にも耐えてくれるはずです。
ツルを誘引するにも、実を吊り下げるにも、バラ用のガーデニングアーチは有効な手段ではないかと考えられます。
「子づる」を空中に誘引する
まずは、アーチの頂上を目指してつるを誘引しなければなりません。
苗を植えて、しばらくするとつるが伸びてきます。
これを「親づる」と呼びますが、親づるはそのまま伸ばさず、ピンチします。
親づるが5~6節になったら、先端をカットしてピンチします。
すると、脇から「子づる」と呼ばれるつるが数本出てくるので、これをアーチに誘引していきます。
空中栽培のつるは3~4本仕立て
- 育てる子づるの本数はアーチの大きさにもよりますが、3~4本程度とします
- 今回は3本仕立てにして、アーチの左側・真ん中・右側に子づるを誘引していきました
少し伸びたら定期的に麻ひもでアーチとつるを結びます。
始めのうちは自然に登っていかないので、しっかりと人の手で誘引してあげましょう。
肥料を与えてつるを伸ばす
アーチの頂上までつるを伸ばさないといけないため、肥料は切らさないように与えます。
今回は誰でも簡単に再現できるように、緩効性肥料(固形肥料)のみを使用しました。
植え付け時に60ℓの容量の鉢に緩効性肥料を8粒置き、3週間ごとに同量ずつ追肥を与えていきました。
緩効性肥料はプロミックを使用しています。
目的以外の雄花と雌花は除去
植物は花を咲かせたり、実をならせると余分なエネルギーを消耗してしまいます。
誘引中はつるを登らせることだけに集中させたいため、目的地にたどり着くまでは、こまめに花を除去していきましょう。
今回、2株のスイカを栽培していたのですが、1株はアーチの中腹で、もう1株は頂上で人口授粉をしました。
これ以外の花は全て除去(摘花)しました。
人口授粉で空中栽培スタート!
つるが頂上付近にたどり着いたら、こまめに雌花が咲いていないかチェックしましょう。
目的地に雌花が咲いたら、近くにある雄花ですぐに人口授粉をします。
無事に受精すると、スイカの玉が膨らんできます。
空中に実らせるスイカは1株に1~2個
もともと大玉スイカは1株あたりに1~2玉を実らせるのが適切といわれています。
今回のように鉢やプランターでスイカを栽培すると、地植えのようには根を広げられないため、玉の数が少なくなったり、大きさが小さくなりがちです
今回は60ℓという巨大な鉢を使っていますが、それでも地植えにはかないません。
株の負担を減らしてあげる意味でも、実らせる玉の数は1個(または2個)を超えないように授粉しましょう。
空中栽培にはスイカを支えるアイテムが必要
徐々にスイカの玉が大きくなってくると、やがて自分のつるではスイカを支えることができない重さになります。
早めにネットに入れたり、ハンモックを準備してスイカの玉を支えてあげましょう。
空中栽培したスイカの収穫
受粉から約40日が経過すればいよいよ収穫です!
「へた」の部分がやや黄色っぽくなってきたら、落とさないように気を付けて収穫しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
本日はアーチを使った大玉スイカの空中栽培の方法を解説しました。
- 大きな鉢(60ℓ)を使う
- アーチを使って上方向に仕立てる
- つるを頂上まで誘引する
- 途中に咲く雄花・雌花は全て除去
- 頂上に雌花が咲いたら人口授粉
- 自分ではスイカを支えられないため、ネットを設置
空中栽培は難しいと思われている方もいらっしゃると思いますが、資材さえ揃えれば、誰でも簡単に再現できます。
記事を読みながら、ぜひ皆さんのご自宅でも大玉スイカを実らせてみてください。
それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。
あまりやっている人がいないなら、誰でも再現可能なデータを残そう