ハーブ

タイムの上手な育て方【栽培のポイントを解説】

  • ハーブを栽培してみたいんだけど、おすすめのハーブはある?
  • タイムってどうやって育てるの?どんなことに使えるハーブ?

そんな疑問にお答えする記事です。

タイム」というハーブ、その名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

タイムは、鑑賞用としてはもちろんのこと、料理やハーブティー、ポプリなど、様々な用途があるとても魅力的なハーブです

そんなタイムを自分の手で育ててみませんか?

  • そんなこと言われても、育て方が分からない…
  • 難しいんじゃないの?

そんな声が聞こえてきそうですが、大丈夫です!

タイムの栽培にはちょっとしたコツがあります。

そのポイントさえおさえておけば、誰でも簡単にタイムを栽培することができます

本日はタイムの栽培方法と収穫後のハーブの活用法をご紹介します。

記事の信頼性(筆者について)
  • 植物の栽培を仕事として経験している夫婦が解説
  • 100種類以上のハーブの栽培を経験
  • ガーデニング歴は夫婦ともに20年以上

今回は、Twitterでいつもおしゃれなガーデニング、お料理について発信されているAQUAさん(@AQUA98032565)にご協力をいただき、タイムを使ったお料理を実際に作っていただきました!

後ほど、タイムの活用例の項でご紹介させていただきます。

本日の要点
  • タイムは「Thymus」という植物の総称、色々な種類がある
  • やや乾燥した環境が好き、水のやりすぎには注意
  • タイムは「低木」 たまに挿し木をして若返らせよう
  • 収穫は春~秋がおすすめ
  • 料理(実例あり)、アロマスプレー、ハーブティーなどがおすすめ

それでは、順番に解説していきます。

「タイム」ってどんなハーブ?

タイムという植物は「Thymus」という植物の仲間の総称で、実はたくさんの種類があります

  • 一番有名なのが、コモンタイム(タチジャコウソウ)と呼ばれる種類のタイム(Thymus vulgaris)です
  • この種類のことを限定して「タイム」と呼ぶこともあります

他にも「レモンタイム」や「クリーピングタイム」など、様々な種類のタイムがあります。

タイムは常緑性のハーブなので、年間を通してグリーンを楽しむことができるのも大きな特徴です。

タイムは大きく分けて2タイプ

そんな種類が豊富なタイムですが、大きく分けると「立ち性」と「ほふく性」と呼ばれる2タイプに分けることができます。

「立ち性」のタイム
  • 上に向かって伸びるタイプのタイムで、育てていくと、小さな木のような樹形になります
  • 一番有名なコモンタイムやレモンタイムはこのタイプに分類されます

「ほふく性」のタイム
  • 地面を這うタイプのタイムで、育てていくとマット状に横へ広がっていきます
  • グランドカバーとして役立つタイプです
  • クリーピングタイム、レイタータイムなどがこのタイプに分類されます

タイムの栽培方法

ここからはタイムの栽培方法について解説していきます。

タイムの栽培で特に気を付けることは以下の2点です

タイム栽培 2つの注意点
  • やや乾燥を好むため、梅雨時期や夏の高温・多湿に注意!
  • タイムは「低木(樹木)」、古くなるとだんだん木質化(木の様になること)してくるため、更新が必要!

この2点を踏まえたうえで、植え付けから収穫、数年に一度のメンテナンスまで、

タイム栽培のポイントを解説します。

タイムの植え付け

タイムの栽培は土選びが重要です。

湿っぽい環境が苦手であるため、水はけの良い土を使って植え付けをしていきます

初心者の方は出来るだけ「水はけが良い」と記載されている市販の園芸用培土を使いましょう。

タイムの栽培にはプロトリーフの「ハーブの土」がおすすめです。

水はけがとても良く、タイムローズマリーなどの過湿が苦手なハーブと相性が良い土です。

自分で色々な土を組み合わせて、ハーブの用土を作るのもおすすめです

オリジナル用土について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

また、鉢底石を入れてから植え付けをすると、さらに水はけが良くなります

初めからネットに入っている鉢底石を使うと、出し入れが簡単でとても使いやすくおすすめです。

タイムの水やり

タイムは鉢の中にずっと水が滞っている環境が苦手です。

土が乾いてからたっぷりと水やりをしましょう。

水やりの量を調節するのではなく、水はけの良い土を使って、鉢の中が乾きやすい環境を作ってあげることがとても大切です

梅雨の長雨やムレに弱いため、軒下や雨が当たりにくい場所で栽培して、自分の手で水やりする栽培が理想的です。

タイムの栽培に役立つ「水」についての記事です。

タイムの肥料やり

タイムは常緑ですが、特に春~秋に葉の展開が旺盛です。

特にこの時期は肥料の効果が切れないように注意します

緩効性肥料」というタイプの肥料を株元に置いてあげると、少しずつゆっくりと肥料の効果が持続するのでおすすめです。

また、油かすなどの「有機質肥料」を使うと土の中に良い微生物が住みやすくなるため、土壌改良の効果があります。

長期間栽培するので、たまに「有機質肥料」を入れてあげるのも良いでしょう。

肥料について、詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

タイムの収穫・切り戻し

タイムは春~秋に生育が旺盛で、どんどん枝が伸びてきます。

好きなタイミングで収穫しましょう。

  • タイムは「低木」なので若い枝は古くなると木質化してきます
  • 木質化した枝からは新芽が出づらくなります

キッチンハーブとして利用しない場合でも、定期的に切り戻しをしてあげると若い状態をキープすることができます。

冬場はあまり枝が動かなくなるので、収穫はおすすめしません

次の春になり、新たな枝が伸びてくるまでは鑑賞用のグリーンハーブとして楽しみましょう。

「ほふく性」のタイムは少し寒さが苦手です

冬の間は軒下の霜が当たらない場所に置いたり、株の上に不織布をかけたりして、寒さから守ってあげると株が弱らず元気に春のスタートを切ることができます。

タイムの挿し木・植え替え

タイムは株が古くなると、下の方から徐々に木質化してきます。

木質化したタイムは新しい枝の吹きが悪くなり、収穫量が落ちます

見た目も悪くなるため、数年に一度は「挿し木」をして新たな株に植え替えることをおすすめします。

挿し木の方法

初夏(5~7月くらい)の枝を5cm程度に切り、土に挿しておくことで、発根がみられます

発根した株を大きく育てて、元の株と入れ替えましょう

木質化したタイムの対処法をまとめた記事も用意していますので、ご覧ください。

タイムの利用

タイムは香りが良く、用途の幅が広いハーブです。

自分の手で収穫したハーブを利用することはハーブ栽培の楽しみの一つです

ここではタイムの利用方法の一例をご紹介します。

タイムを利用した料理

タイムは

  • 収穫した直後の生の葉
  • 乾燥させた葉

どちらも使うことができます。

  • 乾燥させた葉は気密性の高い入れ物にいれておくことで長期保存が可能です
  • 使う前に葉を揉んだり、ミルで粉砕することでより良い香りを楽しむことができます

カレイのレモンタイム蒸し

画像提供 AQUAさん

Twitterで魅力的なお料理やガーデニングの情報を発信されているAQUAさんにご協力いただき、タイムを利用した料理を作っていただきました。

AQUAさん、ご協力ありがとうございます!

作り方
  1. カレイに塩、胡椒で下味を付ける
  2. 白ワイン、バター、生クリームとレモンタイムの生葉を入れ蒸す

  • カレイに程よくレモンタイムの香りが移り、クリーミーでさわやかな風味の魚料理です

写真でしか拝見できないのが残念です。

食べたい!

タイムのアロマテラピー

ドライハーブは料理だけでなく、様々な香りを楽しむアイテムに応用できます。

アロマ除菌スプレー

材料
  • 無水エタノール 70ml
  • 水 30ml
  • タイム(乾燥葉)適量
  • エッセンシャルオイル(タイム) 0.5ml(10滴)

作り方
  • タイムを収穫して、1週間ほど乾燥させておく
  • 無水エタノールに乾燥させたタイムを入れる
  • エッセンシャルオイルを入れる
  • よく混ぜてから水を加えて完成

外出時にマイスプレーを持ち歩いて、除菌+リラックスしてみてはいかがでしょうか。

※今回は、タイムの葉は飾りです。

※タイムの葉から香りを抽出するには、それなりの量のタイムの葉が必要です。

ポプリ、サシェなど

材料
  • タイム(乾燥葉)
  • エッセンシャルオイル 適量

乾燥させたタイムは、ある程度の量があればそのままでも良い香りを楽しめます。

通気性の良い袋に入れればサシェ(におい袋)として楽しむことができます。

また、乾燥させた葉にエッセンシャルオイルを垂らして、キャニスターなどの密閉容器に入れ、数週間~1か月程度かけてにおいを定着させるとポプリとして楽しむこともできます

まとめ

いかがでしたか?

本日は自分で育てたタイムを楽しむための栽培方法利用方法についてご紹介しました。

本日のまとめ
  • タイムは「Thymus」という植物の総称、色々な種類がある
  • やや乾燥した環境が好き、水のやりすぎには注意
  • タイムは「低木」 たまに挿し木をして若返らせよう
  • 収穫は春~秋がおすすめ
  • 料理、アロマスプレー、ポプリなど幅広く利用できる

タイムの栽培のポイントは、「やや乾燥を好む」ことをしっかり意識することです。

雨の多い時期や夏場のムレに弱いため、ここで失敗してしまう方が多いように感じます

雨の当たらない場所で、自分の手で水やりをして管理すれば、常緑のハーブとしてガーデンをオシャレに演出するための心強い味方になります。

この記事を読んで、タイム栽培にご興味を持っていただければ嬉しいです。

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それでは、また次のお部屋でお会いしましょう。